近世日本人の歩行能力

2016-05-19
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 近世の日本人はどのくらいの距離を歩いていたのか。東洋大学の谷釜尋徳先生が詳細な調査をされています。

 近世日本人の歩行に関しては多くの論考を発表されているのですが、左の表は「近世における東北地方の庶民による伊勢参宮の旅の歩行距離−旅日記(1691〜1866)の分析を通して−」(東洋大学スポーツ健康科学紀要、2015/03)に掲載された表です。

 36編の東北地方から伊勢神宮に参拝(お伊勢参り)した旅日記(男性に限る)から詳細にその歩行距離を算出しています。

 よく、近世日本人の旅は一日10里(約40キロ弱)歩いたと伝えられるのですが、この表では平均30キロ台になっています。しかし、これはあくまで平均で旅行程の都合で一日一桁から10キロ台の日も含めたものです。

 最長は75キロですが、どの旅日記も50キロを超えています。谷釜先生は、「無理のない歩行の上限は50キロ程度であった」と推察されています。

 これはとんでもない距離です。一般の庶民は一日50キロであればある程度余裕で歩けたということです。

 このような歩行を可能にしていたのは何だったのでしょうか。ますます、前近代日本が保有した「身体」に興味がわきます。

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