やはりボルトは速かった・・・。

2016-08-15

 「やはり、ボルトは速かった・・・」

 7月のリオ代表選考会、ジャマイカ選手権決勝は左ハムの負傷で棄権。同国陸連の救済措置によって無事、代表入りを果たした。

 本調子ではなかったはずの今大会、ボルトのスタートの反応時間は0.155秒でガトリンから遅れることわずか0.003秒。ここからガトリンに離され、たちまち1メートルほどの差ができ た。50メートルを過ぎても縮まらず「3連覇危うし」の空気が漂ったところからスパート。残り約20メートルからひっくり返してみせた。

 さて、ボルトの走りは、これまでの常識を覆したといわれている。その一因は、ボルトが脊椎湾曲症を発症していたことにある。よって、肩と骨盤は大きく左右に傾くことになる。

ボルト3.jpg
ボルト2.jpg

 上の画像はパウエル選手との比較である。特に骨盤は左足着地の局面で大きく左に前傾する。この前傾は左のハムストリングに大きな負担をかけることになる。今シーズンのハムストリングの負傷箇所も左である。

 そして、これらの左右差は歩幅にも影響を与えている。4年前のロスオリンピック時のデータではあるが、右が2m59cm、左が2m79cm。右とは右足の踏切から左足への歩幅、左はその逆である。左への骨盤の傾きが大きいので左足への反力が大きく右足を大きく振り込む。言い方をかえると、左から右への重心移動よりも、右から左への移動の方が速い。

 この走りは伝承的身体操作から考察すれば「左の片踏み」という。[左の片踏み」はからだを前進させるときに用いた身体運用法。この左右差がボルトの速さの一因である。

 また、この「左の片踏み」はボルトにさらに大きな特性を与えることとなった。「左の片踏み」は左回りのコーナーを走りやすという特性がある。ボルトが本来200メートルを得意にしていたことと無関係ではない。

 この後の、200mと400リレーを制すれば、3大会連続3冠の達成である。まさしく伝説のランナーだ。

 さて、ボルト選手の体感の左右差については小田伸午先生が産経新聞に記事「世界最速!体幹の左右の動きに注目・・・ボルト」を掲載しています。

 是非、ご覧ください。

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