「ゆっくり動く」と人生が変わる

2016-10-21
 動作がうまくなるコツは?・・・と聞かれると「ゆっくり動くこと」と回答することも多い。剣道でも特に基本は「ゆっくり動くこと」と指導している。このように言うと怪訝な顔をされる方も多い。速く動く方がいい・・と感じている方々も多いようだ。速い動きはごまかしがきく。ゆっくり動く方がある意味難しい。
 本来、前近代までの日本には「速く動く」という感覚やイメージは乏しかったのかもしれない。幕末に来日したある宣教師が、橋を架ける作業があまりに遅いので驚いたという逸話が残されている。また、明治になって欧米から水泳競技(競泳)が入ってきたときに水錬の修行者たちは驚いたと言われている。速さを競うことに驚いたらしい。本来、速く動けることと技術が洗練されていることは直接は関係がない。日ごろ歩く速度も、ゆっくり歩くことで動作の洗練性は高まると考えられる。
 先日、書店で興味深い本を購入した。『「ゆっくり動く」と人生が変わる』小林弘幸(PHP文庫)。医者である小林先生は、自律神経である交感神経と副交感神経の働きから「ゆっくり動く」ことを推奨している。
 交感神経と副交感神経ののバランスが崩れるとさまざまな不調・病気を招くが、ストレスだらけの現代人の多くは「交感神経優位」になっている。副交感神経の働きを高めるためにはゆっくり呼吸をすること。しかし、呼吸だけを操作することは案外難しい。しかし、「日常のさまざまな動作を『ゆっくり』と行うこと」によって呼吸が自然と深くなり副交感神経が優位になってくる。小林先生はスポーツドクターでもあり、ゆっくり動作することによってスポーツ選手のパフォーマンスも向上すると説かれている。

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