ワン・シングは何か?
なみあし身体研究所を運営するようになって、スポーツ・動作以外にも他分野の著書に目を通すようになった。効率的な仕事の方法や思考法などの自己啓発本も多い。そして、翻訳された著書の中に興味を惹かれるものが多い。
その中で、仕事だけではなく私自身の動作習得や指導にも大きな影響を与えてくた著書が「ワン・シング」である。
要約すれば、「集中すべき一つのことは何かを自分自身に質問していくことによって効率をあげることができる」と書いてある。
その根拠となっているのが著書の中で紹介されている「パレートの法則」である。「80対20の法則」としても有名だ。これは、「成果(仕事など)の80パーセントは全体の20パーセントの作業によって生み出されている」というもの。
すこし平たい表現をすると「少数のインプット(努力)が大部分の成果を生み出している」・「求めるものの大部分は、行為のごく一部によってもたらされる」ということ。
この法則を知ってから「ワン・シング」を常に意識するようになった。動作習得でも「最も効果が上がる一つのことは何か」を考えるようになった。指導においても「その選手に与えるべき一つのアドバイスは何か」を問うようになった。
クラブの指導も「80パーセントの成果を上げる20パーセントの稽古は何か」を考えるようになった。このように見方を変えることで稽古量を大幅に削減することが可能となった。
そして、その効果は絶大だった。是非、おすすめしたい一冊である。