桐生選手、10秒の壁を破る・・・新記録おめでとう

2017-09-10
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 9日、陸上・日本学生対校選手権 男子100メートル決勝で東洋大学の桐生祥秀選手が、9.98をマーク。日本人ではじめて10秒の壁を切った。

 京都・洛南高3年だった4年前に10秒01を出してから日本陸上界を背負ってきた。その間、多くの陸上関係者に桐生選手の話をお聞きした。異口同音に将来10秒を切ることは間違いない・・問題は、いつ切れるかだ、ということだった。

 しかし、6月の日本選手権男子100メートルで、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)、多田修平(関西学院大)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)に次ぐ4位。8月のロンドン世界選手権は個人種目での代表を逃した。日本人初の10秒切りは他の選手かもしれないと思わせた。

 さらに、ロンドン世界選手権大会でリレーで銅メダルを獲得したものの、左の太もも裏を痛め、その後、満足な練習はできなかったらしい。このレースも直前まで棄権することも検討されたという。そのような逆境の中での偉業達成であった。

 さて、桐生選手の9秒台達成や近年の男子短距離界の充実について、元日本陸連強化委員長の高野進氏が新聞紙上に「日本人の走り追求し成果」として寄稿している。その中で、次のように述べている。

 91年に東京で開かれた世界選手権が転機だった。この頃から、日本短距離界ではバイオメカニクス(動作解析)で得られた知見が選手、コーチに正確に伝わり、適切なイメージを持てるようになった。それによって日本人に合った走りを追求する動きが生まれた。具体的には接地時にタイミングよく「乗り込み」、上手に反発力を受け取って効率よく推進力につなげる走法。多くの指導者が情報を共有して次世代に伝え、才能を持った桐生選手が現れ、現在の充実につながったのではないかと思う。

 そして、他の新聞紙上やネットなどでは、桐生選手のリミッターが外れたとの記述も散見される。さらに、この快挙で、日本人選手らの「10秒は切れない」という無意識のうちに共有していたリミッターが外れたはずだ。今後、日本人選手の9秒台が頻繁にみられるかもしれない。

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