2010年02月16日

フォアフット走法

 先日、気になる論文がネイチャーに掲載されたらしい・・・。

 シューズを履いたランナーの4分の3はかかとから接地する。しかし、裸足のランナーは、圧倒的多数がかかと接地せず、拇指球やそのやや外側で接地しているらしい。かかとを接地させない走りは、足(脚)への衝撃回避になると報告されています。

 最近、フォアフット(ストライク)走法を提唱している方々も多い。足の接地をかかとではなく、フォアフット(前足部)にするというもの。それによって膝・足関節などへの衝撃がやわらげられるというものです。

 フォアフットヒールコンタクトとどちらがいいのか?というような論争にもなってるようです。

 なんで、どちらかに決めたがるのかな〜〜、というのが私の感想。

 正しい歩き方や動き方などない・・・、という理由と同じで正しい接地方法などない、と思われます。

 正しいか正しくないか・・と考えると動きは難しくなる。その人(選手)に適している(合っている)か適していないか・・・。

 足・膝・股関節が合理的に機能すれば、かかと接地が有効。接地と同時か直後、足関節が背屈(屈曲)し膝関節が前方に送り込まれることができれば、かかと接地が可能となります。

 足関節と膝関節の屈曲は、股関節の外旋が条件となりますので、やはり常歩の外旋ストレッチが大切。

 股関節の内旋傾向が強い方は、かかと接地はブレーキになると感じるのかもしれません。フォアフット走法の方が動きやすいと感じると思います。 

 裸足のランナーといえば、オリンピックローマ・東京の両大会で金メダルを獲得した故アベベ選手、ユーチューブで動画を見つけました。

 アベベ選手は、典型的なヒールコンタクトのフラット走法です。動画の一コマを抜いてみました。右足接地の直前です。

 ヒールコンタクトとフラット走法を分けてとらえるのは乱暴。ヒールコンタクトで全身が上手く機能すればフラット走法に・・・・。 

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 走動作で速度が上がっていけば、接地時間が短くなり、また体幹が前傾すればヒールコンタクトしなくなる傾向があります。しかし、その場合も前頸骨筋とハムストリングの収縮による膝の送り込みと体幹の乗り込みが重要

 そのようにとらえると、かかと接地は一つの象徴的(客観的)な事象で、総合的な身体動作の中で考える必要があります。

 そして、もう一つ足部の接地方法と関係がある重要な事項があります。それは・・・足部の骨のアライメントです。

特に「踵骨(しょうこつ)」と「距骨」の位置関係は重要です。  

記事「驚異のインソール」をご覧ください。

記事「フォアフット(2)」へ

2010年02月09日

屈曲感覚と足半

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   私たちは「屈曲(感覚)で動く」ことが合理的動作につながると考えています。しかし、その動きやイメージがつかめない人が多いようです。

 その最も大きな要因は「はきもの」。かかとが高い「はきもの」を、幼少時から履いてきた若者に、この「屈曲感覚」を伝えるのは容易ではありません。

 上の写真は「足半(あしなか)」という「はきもの」。戦国時代は武士は日常的にはいていたようです。江戸時代になると農作業などでも使用されたらしい。草履(ぞうり)に似ていますが、かかとの部分がありません。

 かなり前から、その「足半」を模したサンダル(健康のためのサンダル)が販売されるようになりました。以前は、「かかとが着かない」というようなコンセプトだったようですが、最近では「足のゆびとかかとが地面につく」というように変化してきています。

 まさしく、屈曲感覚で履く「はきもの」だと思います。この足半については、神戸大学大学院の高橋昌明教授が「日本人の歩き方」として投稿されています。是非、ご覧ください。

 

2010年02月01日

水平感覚

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  常歩(なみあし)研究会が提唱してきた「垂直感覚⇒体幹を垂直に立てる感覚」をさらに発展させた水平感覚

 武術などでは、頭部を傾けない」という教えが残っているようです。「五輪の書」(宮本武蔵著)では「鼻筋を直にして、少し頤(おとがい)を出す心なり」とあります。頤(おとがい)とはあごのこと。「鼻筋をまっすぐにたてて、すこしあごを出す感覚」というわけです。

 また、中国武術とくに太極拳では「二目平視」という教えがあります。常に両目が水平になること。

 日本では「目を水平にする」という教えはほとんど聞きません。日本では縦(垂直方向)、中国では横(水平方向)の感覚が強いのかもしれません。

 この水平感覚は、視覚だけではなく平衡感覚にも関係すると思われ、身体動作において絶対感覚を生み出すと考えられます。

 下の写真は、このHPでも何度もご紹介した和歌山さんのコーナーリング。両目のラインに注目。

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2010年01月11日

クロスカントリー

 
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 足底屋日記(水口さんのブログ)に気になる記事が・・・・・・。

 クロスカントリーのお話しです。

 上の二つの写真、左が日本選手、右が外国人選手。日本人選手は軸足に乗り込むことを教わるそうです。左右に乗り込むことで進もうとします

 しかし、外国のトップ選手は乗り込むのではなく、軸足に(体幹を)寄せていく。そのことで遊脚側の骨盤が下がり、左右の重心移動がスムーズになります。

 左の日本人選手はニーイントウアウト、つまり足先の方向より膝が内側に入りすぎています。

 水口氏によれば

 軸足側のアライメントがくずれたまま中心軸が乗り込んでしまっているので、制動が必ずうまれる。足元には「踏みしめる」ような感覚があるはず。

 日本人選手がよく言うのは「パワーの差」しかし、実は物事を効率的に運ぼうとする欧米の感覚は動作の一つをとっても浸透しているのかもしれない。
いわゆる「力感」が大好きな日本人は「踏みしめて!蹴る!」みたいな随意的な動作の概念から脱却しきれていないような気がする。

 とのことです。  

2010年01月06日

かかとをつけて「しゃがむ」

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  踵(かかと)をつけたまましゃがめない子供が増えているそうです。ある報告によれば、小学生の14パーセントはしゃがむことができないとか。

 いくつかの要素があると思いまが、しゃがめない最も大きな原因は、

 足関節(足首の関節)が屈曲しないこと

だと推測されます。

 以前、子どもたちの立ったときの重心(足圧の中心)が後方に移動しているという報告もありました。これも同様な原因だと思われます。

 足関節が屈曲しないことは、前頸骨筋が収縮しないことを意味します。または、拮抗するふくらばぎの筋群が緩まない。

 骨盤の前傾が保たれ前頸骨筋が収縮するとハムストリングが使えます。実はこのことが膝の抜きを可能とします。

 逆に足関節が屈曲せず伸展するとふくらはぎの筋群と大腿四頭筋(太ももの前面)が収縮し、膝関節も伸展傾向の動きになります。

 骨盤前傾股関節の可動域等が強調されがちですが、足関節が屈曲することも合理的な動作習得にはかかせない条件です。

 子どもたちの足関節はなぜ屈曲しなくなったのでしょうか。

 履物(はきもの)の影響や生活習慣の変化が考えられます。家庭のトイレが和式から洋式に変わったことも大きいと思います。

 足元から動きを見直すことも大切のようです。

2010年01月01日

腸腰筋のはたらき

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  腸腰筋の働き(機能)は、股関節を屈曲させること。つまり、脚を前方に振り込むことです。しかし、足を支点ととらえると腸腰筋のもう一つの働きは上体の前傾を保つことであることが分かります。

2009年12月24日

腸腰筋

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 近年(ここ10年ほど)注目されている腸腰筋

 最近ではジャマイカの短距離トップ選手と日本人選手では、大腰筋の筋量がほぼ2倍違うことが報告されています。日本人はトップ選手でも彼らの約半分の筋量しかない。

 画像をご覧いただければ分かるように、腸腰筋は脊椎(第12胸椎と第1〜5腰椎)に付着している大腰筋とおもに腸骨窩に付着している腸骨筋によって構成されています。

 腸腰筋の働きは「股関節を屈曲させる」といわれていますが、屈曲とともにわずかに外旋する」と書かれている解剖学書などもあります。この動きは、腸腰筋の停止が小転子(大腿骨の内側)であることと関係していると思われます。

 さらに、常歩(なみあし)研究会では腸腰筋のもう一つの働きに注目しています。

 さて、その働きとは何でしょうか?。推測してみてください。

2009年12月06日

09福岡国際マラソン

 今年の福岡国際マラソンが6日、福岡平和台陸上競技場を発着点とするコースで行われ、昨年優勝のツェガエ・ケベデ(エチオピア)が、日本国内で開催されたマラソンの最高記録を塗り替える自己ベストの2時間5分18秒で2連覇を果たした。2位はテケステ・ケベデ(エチオピア)で、ドミトロ・バラノフスキー(ウクライナ)が3位。日本勢は、下森直(安川電機)の9位が最高だった。

 ケニア出身で、初マラソンのメクボ・モグス(アイデム)は途中棄権した。

       (2009年12月6日  読売新聞より)
 さて、沿道でマラソンを何回か観戦したことがあります。トップ集団の選手は見事なフォーム(動き)をしていますが、順位が下がるに従い動作改善の余地がある選手が増えてきます。
 マラソンは全身持久力(酸素運搬能力)が必要なことは言うまでもありませんが、順位と動作性には大きな相関があると思われます。動作の合理性はデータにはできにくいので客観性はありませんが・・・・。
 どんなスポーツのパフォーマンス向上にも、まず動作の基礎訓練が必要だと思います。そして、その土台は姿勢(立位・座位)と歩行だと思われます。 
2009年12月04日

グランプリファイナル東京(フィギアスケート)

 5日(土)に行なわれた「フィギアスケート・グランプリファイナル東京」のフリー演技。男女の2位で織田信成(関大)・安藤美姫(トヨタ自動車)の両選手がバンクーバー冬季五輪代表に内定しました。

 フィギアスケートの選手の多くはジャンプもスピンも左に回ります。

 外国人選手の中には右に回る選手もいるのですが、日本人選手はすべて左。(私が知らないだけかもしれません)

 身体の特性からは左が自然だと思います。また、日本ではスケートリンクで大勢で練習するので、リンクを左に回ることがルールとしてありその影響もあって右回りの選手がでないとも言われています。

 回転するといえば、バレエ(踊り)の回転方向は右がほとんどなのです。左に回るのは高度な技術とされています。

 先日、バレエの専門の方にお聞きしたところ、左だと回りすぎて軸が垂直に保たれないのだそうです。

2009年11月24日

相撲とかかと

 現在、大相撲九州場所が開催されています。

 最近の大相撲をTVなどで観戦して考えさせられることは、日本人の「からだづかい」の変化です。ご存知のように、大相撲の番付上位は多くの外国人力士でしめられるようになりましたが、そのことに違和感を感じなくなっています。

 本来、相撲の技や動きは「日本人のからだ」に適したものであるはずです。

 何が変わってしまったのでしょうか。もっとも顕著であるのは「かかと」が使えなくなっていること。「かかと」が浮いて前足部にのる日本人力士がほとんどです。

 下の動画は、平成19年九州場所の千代大海VS安馬(現、日馬富士)戦です。千代大海関が勝っているのですが、「かかと」の使い方は対照的です。

 日本人力士が「かかと」をつかえない(つかわない)のに対し、モンゴル出身の力士は「かかと」を上手くつかいます。

 ですから、私たちはモンゴル出身力士の動きの方に「相撲らしさ」を感じます。

 「かかと」をつかうことは、相撲だけではなく他のスポーツにも取り入れられてきたと考えられます。

 先日、興味深い記事をみつけました。

 高校野球の名門校、愛工大名電高校OB会の奥村衛会長が、同校出身者のプロ選手に「大相撲の日馬富士を見習え」とアドバイスしたという記事です。

 奥村会長によれば、「日馬富士の立会いの一歩目はかかとで着地する。千代の富士も、貴乃花もそうだった。かかとから踏み出すから相手の押す力を受け止められる」。

 野球でも、例えば一塁走者帰塁のために体重をできるだけ残しながら、早くスタートを切るためには、かかとからの一歩が必要になるという。

 (詳しくは中日スポーツの記事へ) 

一本歯(後歯)下駄