ワールドカップブラジル大会も、ドイツとアルゼンチンの決勝を残すのみとなった。サッカーの解説等はチームの戦術に言及しているものがほとんどだが、研究会では個々のプレーヤーの身体動作法にも目を向けている。
今大会では、小田伸午先生(関西大学人間健康学部教授)のスタープレーヤーの身体的および動作特性に着目した記事が産経新聞に掲載された。小田教授が注目したのは、ドログバ(コートジボアール)の「水平感覚」、ネイマール(ブラジル)の「忍びの術」、メッシ(アルゼンチン)の「すり足走法」、エジル(ドイツ)の「観の目」である。
これらの身体動作法は、実は日本の武術などが保持していた「技」である。ブラジルの大敗によって、個々の資質よりもヨーロッパ型の戦術を重要視したサッカーが注目されそうな気配だが、それらを支えるのは個々の身体動作であることには変わりがない。
スポーツなどの客観化された動作を「技術」という。それらが個々のプレーヤーに身についたものが「技能」。そして、さらに卓越された誰にも真似できない「技能」を「技」という。高いレベルの戦術は、この「技」の集合体である。世界のトップに近づくには、個々の「技」を洗練させることが不可欠である。
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