2011年07月02日

クロール・・・前でキャッチする

 先日、クロールの動作について、水泳の専門家の方と話していました。このHPでは、あまり水泳は取り上げていないのですが、「優秀な選手はキャッチする位置が前にある」ということをお聞きしました。可能な限り前方でキャッチすることによって、長く水をかく(プル)することができます。まず、クロール動作の基礎を理解するために下の動画を見てください。

 キャッチとはどういうことか確認してみてください。動画の中盤に説明されています。「エントリーキャッチスカーリングプルフィニシッシュリカバリー」という一連の腕の動きを理解ましょう。クロールの推進力は、7割〜8割が腕の動きによってつくりだされます。キックの推進力はそれほど多くありません。

 さて、水を前方でキャッチするにはどうしたらいいでしょうか。イアンソープ選手の動画を見てみましょう。

 イアンソープ選手は、水を前方でキャッチしています。動きをみる時には、どんな競技でも共通しているのですが、からだ全体の関連(連鎖)をみる必要があります。特に、体幹と四肢の動きをみるようにします。例えば、水中で水をかく(プル)のは手(腕)ですので、どうしてもその動きに惑わされます。そうではなく、体幹の動きでキャッチ動作をみてみてください。まず、肩のローリングとキャッチ・プルの関係をとらえてください。キャッチやプルは腕ではなく、肩(体幹)のローリングによってつくりだされていることがわかります。

2011年05月12日

雑食性の二足歩行生物として

 IHI東京病院の片岡喜直先生(内科)より「雑食性の二足歩行生物として」というレポートを投稿していただきました。片岡先生とは、ここ数年間メールの交換をさせていただいております。いつも、貴重なご意見や情報をいただいています。

 片岡先生は、若い頃の「ぎっくり腰」のご経験から、ランニングを開始、それから18年、第1回東京マラソンをはじめ25回のフルマラソン、29回のハーフマラソンなどに参加されています。それらのご経験から、肩や腰に障害を持つ患者さんに姿勢のアドバイスなどもされているといいます。そして、次のように記されています。本文より抜粋します。

 患者さんに実感してもらいたいのは、「ちゃんとした姿勢で座るのは楽ではない」ということである。意識せずに座ると体重をお尻・坐骨で受け止めることになり、実はこれが腰に負担をかけていて腰痛の原因の一つだと思うのだが、確かに楽ではある。正しい座位姿勢では骨盤はやや前傾、肩甲骨を後ろに引き、耳は肩の真上になる。意識の中心は臍下(いわゆる丹田かそのもう少し下)である。自然に手は太ももの上に乗る。この姿勢だと自ずと背筋・腹筋を使わざるを得ない。楽ではないのである。楽に座っている時には腹筋も背筋も緩んでいる。だから楽。

 片岡先生の文章を拝読させていただいて「不自然の自然」という言葉を思い出しました。誰が言われたか忘れましたが「自然とは不自然からはじまる」という意味です。例えば、ゴルフの上級者にスイングのコツを聞くとします。よく「自分の体に合うように自然に振ればいいんだよ・・・」なんて返事がかえってきます。でも、そんなはずはありません。ゴルフの初心者にとってスイングが「自然」なはずがないんです。「不自然」のはず。その「不自然」を我慢し繰り返して、やっと「自然」になります。

 さらに先生の話題は、江戸時代と現代人の生活形態およんでいきます。そして、私たちの「身体」はまさしく生き抜く時代をの生活に合うように意識的に工夫しなければならないと語っておられます。是非、お読みください。 

(こちらからダウンロードしてください)

2011年05月03日

身体は文化である・・・しかし・・・。

 「身体は文化である」・・多くの身体関係の専門家の方々が言われています。私たちの「身体」は、様々なものを時代を超えて受け継いでいます。そして、これからも伝えていくであろう、ということだと思います。だから、「身体」は非常に価値があり、その「身体」を主体として実践されるスポーツ文化もすばらしい。

 全く同感なのですが、身体動作や身体操作を考えるときに、「身体は文化である」ことほどやっかいなものはないと感じることがあります。例えば、素晴らしいパフォーマンスを発揮する選手の動作を考察するとします。考察の仕方は様々でしょうが、選手の身体が文化であるとすれば動作も文化として様々なものを包含しています。最も分かりやすいのは「癖(くせ)」。武道などでは「個癖(こへき)」と言ったりします。その選手が持っている「癖」です。その動作(選手個人の文化)が、パフォーマンスにプラスに作用しているのか、マイナスに作用しているのか判断することは難しいのです。

 「身体操作(論)」とは、そのような動作から合目的な「動き」だけを抽出して、合理的動作を構築することだと思います。一般に「身体運動文化論」といえば、「身体は文化である」ことを前提として「身体」を見ていきます。 内蔵ている文化を包含したまま「身体」を考察します。または、文化と「からだ」の関わりを課題とします。しかし、「身体操作(論)」は「身体」から文化を排除し、合理的または合目的的な「身体」を課題とすることではないかと思います。

  さて、「身体」は時代を超えて文化を包含している例として、女性の「内股」を取り上げてみます。ここ数年、興味を持っている課題です。来日した外国人の多くが、日本人女性の「立ち方」や「歩き方」に違和感を感じると言われています。多くの日本人女性がつま先を内側に向けているからです。ところが、本来、日本人女性は内股ではなかったのです。後天的に「女性らしさの表現」として定着したものと思われます。民俗学者の柳田国男は、日本女性の内股について「美女の嬌態として認められることになった」(『木綿以前のこと』柳田国男・1924年・大正13年)と記しています。「嬌態」とは、「女性が男性にこびる色っぽい態度」(広辞苑)のことです。つまり。女性が男性にたいして「女性らしさ」を表現する方法として用いられたのが「内股」です。様々な資料がるのですが、田中比左良のイラストを紹介します。 


 上は戦前の人気漫画家の田中比左良のイラストです。多くの女性たちのイラストを残しています。すべてのイラストを調査したわけではありませんが、一般女性は和服であっても外股で描いているのに対し、芸者さんを極端な内股で描いています。 女性らしさの表現として、運動に適さない非合理的な姿や動作が用いられてきたように思います。中国の纏足(てんそく)などはその最たるものでしょう。

 日本女性の「内股」は「身体は文化である」ことを明確に示している例だと思います。日本では、多くの女性が幼少のころから「足先を閉じなさい」といわれて育つのかもしれません。また、周りの大人を真似るのかもしれません。この傾向は、スポーツなどの技術や動作習得に関してはマイナスになることは明らかです。さらに、女性の年配者に、膝・腰・股関節などの障害が多いことも、この「内股傾向が大きく影響していると思われます。

2011年04月13日

マラソン足袋

 前近代(江戸時代まで)の日本人のからだ使いを、洗い出そうと考えているのですが、なかなか方法が難しいのです。何しろ、当時の日本人がいません。現在のようにビデオが残っているわけでもありません。しかし、その当時の日本人の動作に、すばらしい身体操作法があると確信しています。一つは、履物や服装から、当時の歩き方や動作を推測することです。草鞋や草履、足半、足袋というような、日本の伝統的履物から動きを考察することができると考えています。

 今日は、日本人の走力について調べていたのですが、明治44年(1911)に行われた翌年に開催されるストックホルム五輪に向けたマラソンの予選 会に出場した金栗選手は、当時の世界記録(但し、当時は40・225km)を27分も縮める大記録を出し、日本人初のオリンピック代表選手となりました。実は、その時に履いていたのが足袋なのです。足袋といっても、マラソン用に作成された「マラソン足袋」です。

 

 そこで、マラソン足袋を検索しておりましたら、最近アシックスが「マラソン足袋」を復活させたという記事を見つけました。同社のブランド「オニツカタイガー」から「マラソン足袋」を原型としたスニーカー「OKATABI MT」を2011年1月中旬に発売、さらに「OKATABI SANDAL」を2011年3月下旬から発売したらしい。2商品は、アシックスの前身であるオニツカタイガーが1953年に開発した「マラソン足袋」を現代風にアレンジしたもの。男性用の「OKATABI MT」は、柔らかいスエード素材に格子柄の模様を配し、かかとには足袋に使われる留め具「コハゼ」を思わせる刺しゅうと糸をあしらっています。レディース向けの「OKATABI SANDAL」はぞうりの意匠も取り入れ、かわいらしさをアピール。以前の商品と比べ、よりストリートファッションにも合わせやすいデザインが特徴のようだ。

2011年01月20日

「歩み足」の剣道

打味紙顔「歩み足」の剣道

 HPでも何度がご紹介しました打味一範(うつみかずのり)氏の「歩み足」の剣道が、雑誌「剣道日本」で紹介しされました。打味氏とは、何度もメール交換をさせていただき、常歩(なみあし)の剣道をご参考にしていただいたようです。私(木寺)も、打味氏から多くの示唆をいただきました。

 今回「スキージャーナル社」のご好意により、記事の転載のお許しをいただきました。下記、タイトルよりダウンロードしていただけます。

 

   「歩み足」を愉しむ(剣道日本・2011年2月号)

 

 

2011年01月07日

2軸感覚スイング

 先日、「2軸感覚スイング」の浜田節夫プロにお会いして、練習場(打ちっぱなし)へご一緒させていただきました。そして、浜田プロのスイングを撮影させていただきました。

 私も200球ほど打ちました。浜田プロのアドバイスで確実に上達したかも・・・。

 練習が終わってから食事をしながらのゴルフ談義。興味深かったお話をいくつか紹介します。

 一般に、ゴルフのスイングではバックスイングで右足体重、ダウンスイングで左足に体重を移動させるように言われるそうです。しかし、それは外国ではほとんど言わないとのこと。アメリカには「左一軸打法」というものもあるらしい。浜田プロの「2軸感覚打法」も左軸でスイングします。

 また、ダウンスイングでは腕(グリップ)はアウトからインに振る感覚がよい。一般的には、逆にイン(自分のからだに近いほう)からアウトに振ることが良いとされています。浜田プロのアウト・インの振る感覚を教えていただくと非常にスイングがスムーズになりました。

  ヘッドアップについて。頭を残すというのは間違い。顔は飛行線方向に向くのが自然。それよりも早くクラブヘッドが適切な位置にくればよい。ヘッドアップとはクラブヘッドとからだの関係をいうらしい。

 浜田プロの動画をご覧ください。ゴルフの素人の私がプロのスイングを解説するのはおこがましいのですが、バックスイングと同時に左ひざが前方へ送り出されています。つまり、左股関節を外旋させています。バックスイングで右ではなく左に乗せていく感覚があると思います。また、フィニッシュの体勢ががとても立っています。多くの日本人ゴルファーはプロ選手であっても、もっとからだを逆Cの字に反っています。

2010年11月13日

左右の自然体

柔道構え.bmp スポーツや武道(武術)を左右の自然体で考えると面白い。左足・左肩が前でるのが「左自然体」、右足・右肩が前にでると「右自然体」という。武術の流派によっては「半身」という場合もある。ただし、一般的には「半身」という場合には、自然体よりもさらにからだを開くことが多いようだ。

 スポーツと武道(武術)の違いは、思想性にあるのではなく、動作性にもある。スポーツはからだを前方に押し出す(進める)ことが主動作であり、武道(武術)の動作特性はからだを止める、または引くことにある。

 写真は、嘉納治五郎先生と三船久蔵先生である。確認したわけではないが柔術の型だと思われる(情報をお持ちの方はお知らせください)。右自然体だ。古流柔術の型はほとんど右自然体の構えらしい。

 批判を覚悟で大雑把に言えば、スポーツは左自然体、武道(武術)は右自然体ということになる。現代のしな打ち剣道は、打突後からだを前方に進める。これは、明治期から大正期にかけて構築された新しい動作性である。この意味からも、現代剣道はスポーツ化している。競技化だけがスポーツ化ではない。

 このように検討してくると、剣道の中段の構え(右自然体)は現代剣道の動作性とは矛盾している。左自然体が合理的であるはずだ。以前、左上段が全盛期であった。ルール改正により左上段の剣士は激減したのだが、現代剣道の動作性から鑑みれば、左自然体を主体とした左上段は合理的であったことになる。

 そこで、昨年から左の片踏み歩行で基礎をつくり、左自然体の構え(中段)を試みたところ「歩み足」の剣道が出現した(常歩剣道のコーナー

 スポーツの動作も、左右自然体としてみると分かりやすい。 

2010年10月14日

浜田節夫プロ【2010PGAティーチングプロ選手権シニアの部・FR】優勝

浜田.jpg 「2軸感覚スイング」でお馴染みの浜田節夫プロが本年度の「ティーチングプロ選手権シニアの部」ファイナルラウンドで優勝しました。ファイナルラウンドは、14日、JFE瀬戸内海GC(岡山)にて開催されました。

 試合後、浜田プロからお電話をいただき、優勝を喜び合いました。「2軸感覚スイング」については、「とにかく方向性がいい」と語っておられました。今年はPGAのシニアツアーにも参戦されています。更なるご活躍を祈念します。

 優勝のようすは、日本プロゴルフ協会のHPでもご覧いただけます。

浜田・徳永.jpg副賞.jpg

プレーオフ後、徳永雅洋プロと握手する浜田プロ。副賞は「VAAM1年分」。


2010年09月28日

二軸動作“常歩(なみあし)”の実践

 7年前より二軸動作(常歩)をトレーニングに取り入れて成果をあげられている大阪市立桜宮高等学校教諭(同陸上競技部監督)の山本幸治先生が、これまでの実践の一部をまとめられました。このたび、当研究所HPに投稿していただきました。

 二軸動作“常歩(なみあし)”の実践

〜速く走るためにはどうすればよいのか〜

無題.JPG

(上記タイトルをクリックしてください。PDFによりご覧いただけます)

 山本先生によれば、「字数等の制限があり、これまでの実践のほんの一部しかまとめられなかった。」とのことですが、先生の真摯な取り組みと情熱が伝わってきます。

 

2010年09月23日

第7回身体開発研究会

日 時 平成22年12月19日(日) 14時〜17時

内 容 「スポーツと左右」

講 師 小山田良治(五体治療院)       

場 所 聖トマス大学セミナーハウス
      (http://www.st.thomas.ac.jp/other/access.html
         兵庫県尼崎市若王寺2丁目18−1

二軸動作の基礎にして真髄・・・身体の左右と動き・スポーツについて、小山田良治氏に語っていただきます。ぜひ、お越しください。講習料は無料。

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  第7回身体開発研究会(12月19日)は無事終了しました。ありがとうございました。

一本歯(後歯)下駄