2010年04月30日

福島選手の腕振り

福島.jpg 昨日(29日)、織田記念陸上(広島ビッグアーチ)で、福島千里選手(21=北海道ハイテクAC)が女子100メートルで自身の持つ日本記録を0秒03更新する11秒21で3連覇を達成しました。

 今冬に肉体改造を行いパワーアップし48キロだった体重を50キロまで増加させたとのことです。

 福島選手の特徴の一つは、右腕の振り方にあります。ちょうど分かりやすい写真(読売新聞より)を見つけました。右腕を内旋させながら大きく右へ振ります。そして、前方へは外旋させます。右方向に肘を伸展させながら大きく振っています。

 この腕振り、実は女子選手のトップには多くみられるようになっています。昨年、奈良インターハイの陸上競技を観戦しましたが、陸上関係者の方によると、この腕振りを取り入れる指導者も増えてきているそうです。

 前進するには、左右の重心移動も必要だということかもしれません。

 

(2008年日本選手権決勝)

2010年04月26日

ツイスト打法??

 プロ野球のペナントレースも開幕から一ヶ月。セリーグではジャイアンツが首位を固めつつあるようですが、最近、プロ選手の中でも「ツイスト打法」というのが話題になっているようです。

 動画をご覧ください。からだの開きを押さえるために「腰を逆にまわる(まわす)」そうです。さて、なぜこのような動きになるのでしょうか。

 ツイストは、無意識のうちに出る動きです。実は、サッカーのキックでもあらわれます。例えば、中村俊輔選手のフリーキックは、頻繁にツイストがみられます。しかし、TVのインタビューで「腰をできるだけ右回りにまわすようにしている・・・」と語っています。 逆に腰を回転させる意識は皆無だと思います。

 「動きは、そうなるのであって、そうするのではない。」

 野球でツイストがあらわれるといわれる、阿部選手、イチロー選手、小笠原選手、サッカーの中村選手・・・・・共通しているのは「左」だということ。つまり、時計まわ回り(右まわり)の回転のときにあらわれる動きなのです。 

 ツイストは動きを知るにはいい題材です。

2010年02月28日

側対歩

側対歩.gif 馬の歩様は一般に「常歩(ウォーク)」・「速足(トロット)」・「駆歩(キャンター)」・「襲歩(ギャロップ)」の4種類といわれています。

  しかし、実際には6種類とも8種類ともいわれているようです。

 左は馬の「側対歩」 (WIKIPEDIAより)。「速足」は対角線の前後肢が同方向に動く、しかし「側対歩」は同側の前後肢が同方向に動くのです。

 日本に伝わる馬術では、この「側対歩」が重宝されたようだ。上下動がないので馬上で安定したといわれている。

 動物で言うと「ラクダ」「側対歩」であるくことで有名。

 「側対歩」「常歩」の変形(応用)とも考えられる。しかし、「常歩」より速い・・・・・。

 ユーチューブで動画を見つけました。

 馬の「側対歩」を考察すると、「順回転の常歩」も重要であると思います。

 現在、私たちが紹介しているのは肩が側方から見るとタイヤが逆に回るように動く「逆回転の常歩」しかしその逆の「順回転の常歩」もあるのです。

 トップスピードの連続動作を身につけるならば「逆回転の常歩」が有効、しかし日本の武術(武道)のように動と静を繰り返す動きには「順回転の常歩」が必要に思えてきました。

2010年02月21日

ボルト選手の左右差

 昨年(2009)の世界陸上でまたまた100Mの世界記録を塗り替えたボルト選手。彼の走りについて、ベースボールマガジン社の陸上競技クリニック(vol6)に貴重なデータが掲載されています。そして、元400mハードラーの山崎一彦氏(福岡大)が、左右非対称があたりまえ、という記事を書いておられます。

 9秒58(世界陸上ベルリン大会)のボルト選手の40歩のピッチとストライドの全データがグラフになってでています。(JISSの松尾氏の分析)。

 最初の左右合計10歩(最初の10歩)までは、右足のピッチが(右着地から左着地まで)4.5から4.7歩(毎秒)で、左足(左足着地から右足着地まで)が3.8歩(毎秒)から始まり、だんだん速くなり右足のピッチにトータル10歩目で追いつきます。ここまでで3秒かかっています。

 そのあとの17歩(最初から言うと27歩目まで)が、左右足とも4.5歩毎秒をキープします。最後の13歩ですが、あいかわらず最後までボルトの右ピッチは、4.5歩(毎秒)をキープ、ところが左ピッチは、ゴールにむかって徐々に低下し4.25歩(毎秒)くらいまで下がっています。

 ストライドは、8歩まで急激に伸びてゆきます。1歩目が1mの歩幅で、8歩目が2m35cmくらいまで直線的に伸びていきます。その後、17歩目まで、右左とも徐々にストライドが2.35mから2.75mまで伸びてゆきます。

 最後の13歩ですが、ピッチをキープする右足から左足までのストライドは、ほんのわずかにストライドを縮めて2.6mくらいを維持します。ピッチを急激に落とす左足から右足のストライドは2.9mくらいまで伸びてゆきます。

 文章では分かりずらいのですがイメージしてみてください。私はピッチの変化に注目しました。

 スタートからゴールまで、右のピッチ(右から左)は4.5~4.6歩(毎秒)であるのに対し、左のピッチ(左から右)は3.8~4.5歩と幅があります。このことは何を意味しているかというと、左に重心(基準)があるために、左から右へのピッチが変化するのだと考えます。

 右のピッチに変化がないのは、左基準であるために右から左に自然に(自重を利用して)もどっているためと思われます。

 左のピッチに変化があるのは、左基準ですから自在にピッチを調整できるからだとしているからだと思われます。これは走動作だけではなくて、ピッチが変化している側(この場合は左)に基準があるという共通点があるのではないかと考えられます。

 他の選手のデータが分かりませんのでなんともいえませんが、ボルト選手は本来200Mが得意ですから、このようなデータが明確にでたのかもしれません。

 それにしても、左右の違いがデータとして注目されたことは画期的なことだと思います。

2010年02月16日

フォアフット走法

 先日、気になる論文がネイチャーに掲載されたらしい・・・。

 シューズを履いたランナーの4分の3はかかとから接地する。しかし、裸足のランナーは、圧倒的多数がかかと接地せず、拇指球やそのやや外側で接地しているらしい。かかとを接地させない走りは、足(脚)への衝撃回避になると報告されています。

 最近、フォアフット(ストライク)走法を提唱している方々も多い。足の接地をかかとではなく、フォアフット(前足部)にするというもの。それによって膝・足関節などへの衝撃がやわらげられるというものです。

 フォアフットヒールコンタクトとどちらがいいのか?というような論争にもなってるようです。

 なんで、どちらかに決めたがるのかな〜〜、というのが私の感想。

 正しい歩き方や動き方などない・・・、という理由と同じで正しい接地方法などない、と思われます。

 正しいか正しくないか・・と考えると動きは難しくなる。その人(選手)に適している(合っている)か適していないか・・・。

 足・膝・股関節が合理的に機能すれば、かかと接地が有効。接地と同時か直後、足関節が背屈(屈曲)し膝関節が前方に送り込まれることができれば、かかと接地が可能となります。

 足関節と膝関節の屈曲は、股関節の外旋が条件となりますので、やはり常歩の外旋ストレッチが大切。

 股関節の内旋傾向が強い方は、かかと接地はブレーキになると感じるのかもしれません。フォアフット走法の方が動きやすいと感じると思います。 

 裸足のランナーといえば、オリンピックローマ・東京の両大会で金メダルを獲得した故アベベ選手、ユーチューブで動画を見つけました。

 アベベ選手は、典型的なヒールコンタクトのフラット走法です。動画の一コマを抜いてみました。右足接地の直前です。

 ヒールコンタクトとフラット走法を分けてとらえるのは乱暴。ヒールコンタクトで全身が上手く機能すればフラット走法に・・・・。 

abebe1.jpg 

 走動作で速度が上がっていけば、接地時間が短くなり、また体幹が前傾すればヒールコンタクトしなくなる傾向があります。しかし、その場合も前頸骨筋とハムストリングの収縮による膝の送り込みと体幹の乗り込みが重要

 そのようにとらえると、かかと接地は一つの象徴的(客観的)な事象で、総合的な身体動作の中で考える必要があります。

 そして、もう一つ足部の接地方法と関係がある重要な事項があります。それは・・・足部の骨のアライメントです。

特に「踵骨(しょうこつ)」と「距骨」の位置関係は重要です。  

記事「驚異のインソール」をご覧ください。

記事「フォアフット(2)」へ

2010年02月09日

屈曲感覚と足半

足半1.jpg

   私たちは「屈曲(感覚)で動く」ことが合理的動作につながると考えています。しかし、その動きやイメージがつかめない人が多いようです。

 その最も大きな要因は「はきもの」。かかとが高い「はきもの」を、幼少時から履いてきた若者に、この「屈曲感覚」を伝えるのは容易ではありません。

 上の写真は「足半(あしなか)」という「はきもの」。戦国時代は武士は日常的にはいていたようです。江戸時代になると農作業などでも使用されたらしい。草履(ぞうり)に似ていますが、かかとの部分がありません。

 かなり前から、その「足半」を模したサンダル(健康のためのサンダル)が販売されるようになりました。以前は、「かかとが着かない」というようなコンセプトだったようですが、最近では「足のゆびとかかとが地面につく」というように変化してきています。

 まさしく、屈曲感覚で履く「はきもの」だと思います。この足半については、神戸大学大学院の高橋昌明教授が「日本人の歩き方」として投稿されています。是非、ご覧ください。

 

2010年02月01日

水平感覚

二目平視.jpg

  常歩(なみあし)研究会が提唱してきた「垂直感覚⇒体幹を垂直に立てる感覚」をさらに発展させた水平感覚

 武術などでは、頭部を傾けない」という教えが残っているようです。「五輪の書」(宮本武蔵著)では「鼻筋を直にして、少し頤(おとがい)を出す心なり」とあります。頤(おとがい)とはあごのこと。「鼻筋をまっすぐにたてて、すこしあごを出す感覚」というわけです。

 また、中国武術とくに太極拳では「二目平視」という教えがあります。常に両目が水平になること。

 日本では「目を水平にする」という教えはほとんど聞きません。日本では縦(垂直方向)、中国では横(水平方向)の感覚が強いのかもしれません。

 この水平感覚は、視覚だけではなく平衡感覚にも関係すると思われ、身体動作において絶対感覚を生み出すと考えられます。

 下の写真は、このHPでも何度もご紹介した和歌山さんのコーナーリング。両目のラインに注目。

和歌山.jpg

 

 

2010年01月11日

クロスカントリー

 
クロスカントリー2.jpg
 
クロスカントリー1.jpg

 足底屋日記(水口さんのブログ)に気になる記事が・・・・・・。

 クロスカントリーのお話しです。

 上の二つの写真、左が日本選手、右が外国人選手。日本人選手は軸足に乗り込むことを教わるそうです。左右に乗り込むことで進もうとします

 しかし、外国のトップ選手は乗り込むのではなく、軸足に(体幹を)寄せていく。そのことで遊脚側の骨盤が下がり、左右の重心移動がスムーズになります。

 左の日本人選手はニーイントウアウト、つまり足先の方向より膝が内側に入りすぎています。

 水口氏によれば

 軸足側のアライメントがくずれたまま中心軸が乗り込んでしまっているので、制動が必ずうまれる。足元には「踏みしめる」ような感覚があるはず。

 日本人選手がよく言うのは「パワーの差」しかし、実は物事を効率的に運ぼうとする欧米の感覚は動作の一つをとっても浸透しているのかもしれない。
いわゆる「力感」が大好きな日本人は「踏みしめて!蹴る!」みたいな随意的な動作の概念から脱却しきれていないような気がする。

 とのことです。  

2010年01月06日

かかとをつけて「しゃがむ」

しゃがむ2.jpg

  踵(かかと)をつけたまましゃがめない子供が増えているそうです。ある報告によれば、小学生の14パーセントはしゃがむことができないとか。

 いくつかの要素があると思いまが、しゃがめない最も大きな原因は、

 足関節(足首の関節)が屈曲しないこと

だと推測されます。

 以前、子どもたちの立ったときの重心(足圧の中心)が後方に移動しているという報告もありました。これも同様な原因だと思われます。

 足関節が屈曲しないことは、前頸骨筋が収縮しないことを意味します。または、拮抗するふくらばぎの筋群が緩まない。

 骨盤の前傾が保たれ前頸骨筋が収縮するとハムストリングが使えます。実はこのことが膝の抜きを可能とします。

 逆に足関節が屈曲せず伸展するとふくらはぎの筋群と大腿四頭筋(太ももの前面)が収縮し、膝関節も伸展傾向の動きになります。

 骨盤前傾股関節の可動域等が強調されがちですが、足関節が屈曲することも合理的な動作習得にはかかせない条件です。

 子どもたちの足関節はなぜ屈曲しなくなったのでしょうか。

 履物(はきもの)の影響や生活習慣の変化が考えられます。家庭のトイレが和式から洋式に変わったことも大きいと思います。

 足元から動きを見直すことも大切のようです。

2010年01月01日

腸腰筋のはたらき

大腰筋02.jpg

  腸腰筋の働き(機能)は、股関節を屈曲させること。つまり、脚を前方に振り込むことです。しかし、足を支点ととらえると腸腰筋のもう一つの働きは上体の前傾を保つことであることが分かります。

一本歯(後歯)下駄