2008年11月04日

常歩の姿勢(外旋立ち)

ritui2.jpg姿勢、特に立位姿勢について誤解している方が多いのです。「気をつけ」のような姿勢が正しいと思っていませんか。「立位姿勢」を見直しましょう。

 

安定しかつ素早く動くためには、多少乱暴に言えば楽に立つことが大切です。足を肩幅(骨盤幅)に開き足先はやや開きます。次に膝を少し曲げて、骨盤を前傾させます。骨盤を前傾させるというのはお尻が少し後ろに出るようにイメージします。その骨盤の上に楽に上体を乗せてみましょう。腕はだらりと下げて、顎は気をつけのときのようにぎゅっと引くのではなく、緩めて少し出すようにします。

 

 

 

 

骨盤を前傾させると自然と胸が張られます。この体幹アーチは個々の柔軟性によって異なります。頭の位置や胸の張り方など調整して最も楽に立てるポジションを見つけてください。横から見たときに頭頂・肩の真ん中・大転子(大腿骨上部の出っぱった部分、股関節の位置)が垂直に並ぶと理想的です。

  

 さらに重要なのは重心を落とす位置です。立ったときに足底の拇指球付近(つま先付近)に圧力がかかっていませんか。そうではなく、足底の踵、そしてアウトエッジ(足裏の小指側)に足圧を感じるようなイメージで立ってください。このような姿勢を「外旋立ち」といい、全身の力を効率よく使うことができる立ち方です。 

 実は「外旋立ち」は昔の日本人の立ち方です。日本では市民が靴を履くようになったのは明治の終わり頃、それまでは草履(ぞうり)や草鞋(わらじ)を履いていました。踵がしっかり地についた立ち方をしていたのです。

 生活の中で姿勢を意識するようにしましょう。この「外旋立ち」をマスターするだけでパフォーマンスが飛躍的に上がることも珍しくないのです。

2009年05月19日

股関節の外旋と外旋位

 股関節の位置がイメージできたところで、その操作について学びましょう。まず、股関節の動きを確認しましょう。

股関節02.jpg

 左の図を見てください。股関節には大きく3つの動きがあります。脚を前後にふるときの動きを屈曲・伸展といいます。

 つま先(膝)がからだの内側を向いたり外側を向いたりする動きを内旋・外旋といいます(わかりずらい場合は、右の図で確認してください)。

 そして、脚がからだから離れたり近づいたりする動きを外転・内転といいます。

 常歩(なみあし)は、そのなかで内外旋の動きに着目しました。例えば、みなさんが歩いたり走ったりするときには、脚が前後に動く伸展・屈曲の動きをイメージするのではないでしょうか。しかし、その動きに内旋・外旋の動きが加わることによって合理的な動作になるのです。

 そのためには、立位姿勢や走歩行での着地脚のつま先(膝)の向きがやや外を向くことが理想です。

フレーザー.jpg

 左の写真をみてください。08年北京オリンピック陸上競技女子100メートルのゴールです。見事な外旋着地です。

 さて、ここで股関節外旋について理解していただきたいことがあります。それは、外旋外旋位についてです。

 外旋とは股関節外旋の力が加わっていることをいいます。大腿骨が外に回る力がかかっている状態です。

 一方、外旋位とは骨盤に対してつま先(膝)が外を向いている状態をいいます。力の方向は関係ありません。ですから、股関節外旋位であっても内旋(内旋力)がかかっている場合もあるのです。

 上の写真の右の選手を見てください。左足は見事な外旋着地ですが、すでに右脚は前方に振り出され左の股関節内旋がかかりつつあると思われます。

 外旋外旋位内旋内旋位を理解しましょう。

2009年05月19日

踵(かかと)を踏む

 私たちが動作するときには「内力(筋力)」「外力(重力)」を使います。もう一度、このページの「合理的身体操作とは」「内力と外力」の項をみてください。

 そして、前に倒れこみながら1歩前にでる動きをしてみてください。そのときに次の二つの方法で行ってみましょう。まず、からだを前傾させるときにつま先立ちになって踵(かかと)をあげてみましょう。次に、をつけたまま倒れこんでみましょう。をつけたまま、倒れこむと同時につま先をあげるような感じです。

 何回かくりかえしてください。どちらの方法が前傾しやすく前に出やすいでしょうか。を接地さる方が前進しやすかったはずです。

 どうしてでしょうか。を接地させる方法は、より外力(重力)を利用しているからです。

踵を踏む.jpg

 左の図をご覧ください。前に倒れるときの支持点と重心を結んであります。垂線との角度を比べてください。を支持点にした方が角度が大きいことがわかります。つまり、を支持点にすればより前傾できるのです。

 このように外力(重力)を最大限に利用するためには、重心点からできるだけ離れたところで支持することが大切なのです。

 前進するときにはつま先よりで支えたほうがスムーズに動くことができるのです。からだをどの方向に移動させるときでも、拇指球あたりで支えていませんか。

 を踏む操作はからだを前進させるときのコツです。後退するときはま先、右移動なら左足のアウトエッジ(外側、左移動は右足のアウトエッジです。楽に立った姿勢からこれらのことを試してみてください。

 を踏むという操作は、足裏全体をうまく使うことの象徴的な表現です。どんなときでもを踏むのではありません。 

  

2008年11月06日

膝を抜く

 もう一度、前傾して一歩前にでてみてください。(「合理的身体操作とは」−「内力と外力」参照)

 すばやく前進するためにもうひとつ動きを加えてみましょう。それが膝を抜くという操作です。踵支持でからだを前傾させます。一歩踏みだすときに支持脚の膝をぱっと小さく曲げてみましょう。膝を小さく抜いた瞬間に、からだが加速して前進します。

 膝を抜くときにつま先に体重をかけてはいけません。踵をさらに踏むのです。この動作と感覚を何回も繰り返しておぼえてください。

 膝の抜きには、いくつかの種類と方法があります。例えば

  1. からだの重心を落とす(さらに落とす)ために膝を抜く
  2. 地面(床)反力によってからだを移動させたり、相手を押すために膝を抜く
  3. 筋肉の伸張反射を使うために膝を抜く
  4. 瞬間的に静的安定を崩すために膝を抜く

などがあります。他にも膝を抜く目的がありますが、以上の4つが代表的なものです。

 

 膝抜きトレーニング(練習)をしますと、意識しすぎて抜きではなく「屈曲ー伸展」になる方が多いようです。

 膝の抜き大切な常歩の身体操作の要素なのですが、他の操作ができるようになると自然と身につくと理解してください。 無意識にでる動きという側面がつよいです。datotsu.jpg

 写真の左足をご覧ください。膝の抜きをつかった剣道の打突です。踵は接地したままです。 この状態から、打突すれば自然と左膝は屈曲していきます。

 下の写真は、左足が離床した直後ですが、左膝を抜きならが離床しています。このときの、左の足関節(足首の関節)をご覧ください。ほぼ90度を保っています。

 一般的な剣道の打突では、左の膝関節と足関節はともに伸展しながら離床します。

 しかし、常歩(なみあし)の打突では逆に膝を抜きながら動きます。

 剣道の打突に限らず、膝の抜き意識すると上手くいかないかもしれません。それよりも、踵で支える感覚を主にした方がいいのかもしれません。このあたりは、個人差があるようですので、ご自分の膝抜き感覚をみつけましょう。

2009年05月21日

肩甲骨の外放と上腕の外旋

肩甲帯.jpg 股関節とともに重要な役割をするのが肩です。

 一般に肩をいうと、上腕の先端の肩関節Aをイメージしますが、肩関節肩甲骨とともに動きます。

 複雑な動きが可能な肩周辺のことを肩甲帯ともいいます。

 鎖骨の片側が胸鎖関節@で胸骨につながっているだけで他の部分は浮いていて肋骨の上をすべるように動きます。

 背中側に位置する肩甲骨も様々な方向に動くことができます。

 しかし、この肩甲骨を十分に使えていない人が多いのです。

 その原因のひとつは、立位姿勢での肩甲骨の位置にあります。

 肩の柔軟性を高めることに熱心な方は多いのですが、日ごろの姿勢で肩甲骨を十分につかえるニュートラルポジションを意識する人はほとんどいません。

 楽に立って、まっすぐに両腕を垂直にあげてください。手のひらを前にして、前額面(体を前後に切る面)にそって両腕を広げながら下ろして体側につけてください。

肩外放1.jpg その位置がニュートラルポジションです。

 それよりも肩甲骨がからだの前に位置する場合を前肩、後ろに位置する場合を引き肩といいます。 

 さらにニュートラルポジションで十分にゆるみ、肩甲骨が外側に放たれた状態が理想です。

 この状態を肩甲骨の外放と言います。

 

 肩甲骨ニュートラルポジション(肩甲骨の外放)にあると、上腕の外旋の操作が容易になります。腕を楽に前にあげてください。手のひらを上に向けながら上腕(肩から肘まで)のようすを観察してください。

 肘(肘関節の曲がらないほ上腕.jpgう)が下を向くように上腕が回転します。

 この動きを上腕が外旋するいいます。スポーツなどで脇をしめるといいます。これは、上腕を外旋させながら肘が体側による動きです。

 この上腕を外旋させる操作は、スポーツ・武道(武術)などのあらゆる動作で使われています。工夫してみてください。

 例えば、重心移動にも上腕の外旋がつかえます。上腕が外旋するほうへ重心は移動しやすくなります。

 実は、上腕の外旋状態は人によって違います。その場でにならえをしてください。両腕を体の前に水平にあげてみましょう。肘の曲がる側が上を向くほど、上腕の外旋状態がつよく、内側を向くほど内旋状態がつよいことになります。 

2009年05月21日

からだと左右

 二軸動作の二軸とは、左右の肩甲骨と股関節を結んだ軸感覚のことです。

 そして、私たちが二軸動作と名づけたもうひとつの理由は、からだの左右に関する法則(操作法)を見つけたからです。左右前後.jpg

 つまり、からだの右半身(はんしん)と左半身の特性を知り、それを生かす方法があるのです。

 まず、私たちのからだは左軸(左股関節)には乗りやすく、右軸(右股関節)には乗りにくいのです。

 さらに左右の股関節にはいくつかの法則があります。

 左股関節は外旋しやすく、右股関節は外旋しにくいのです。また、左軸(左股関節)に乗るとからだは前進しやすく、右軸(右股関節)に乗ると後進しやすくなります。

 

右ネジ.jpg また、私たちが右ネジの法則といっているものがあります。

 右ネジ(一般に使われているネジ)は、しめるときには右に回します。ゆるめるときには左に回します。

 それと同じように私たちのからだ(体幹)も、右回転ではしまり左回転ではゆるみます

 例えば野球の右投手と左投手、右打者と左打者は全く違う動きをします。 当然、技術も全く異なります。

 これらの左右の法則は、右利き・左利きとは関係ありません。 左右軸の特性を知ってトレーニングしたいものです。

一本歯(後歯)下駄