体罰問題を考える

2013-06-01

 スポーツにおける「体罰問題」が話題になっています。先日、九州共立大学スポーツ学部の「スポーツ指導論」(1年生)の授業でレポートを実施しました。3項目の中のひとつに「体罰(暴力)的指導に関して自論を述べよ」という課題をかしました。レポートの内容を読み、スポーツ指導における「体罰(暴力)的指導」が「必要である」・「必要ない」・「どちらともいえない」に振り分けてみました。

 高等学校から入学してきてすぐの学生たちが、「体罰(暴力)的指導」をどのようにとらえているか興味のあるところでしたが、意外に「体罰(暴力的)指導」を肯定している学生が多いことが分かりました。ただし、「必要」であるとした学生の中には、「賛成ではないがチームを強くするためなら必要である」などとする意見も含まれます。

 レポート提出者は159名、「体罰(暴力)的指導」が「必要である」は65名(41%)、「必要ない」が86名(54%)、「どちらともいえない」が8名(5%)でした。もうすこし、「必要ない」とする学生が多いと思っていました。なぜなら、レポート作成の前に、体罰的指導は反対であるとするスポーツライターの金子達任氏の文章を読ませていたからです。

 さらに、これらを入試区分で比較してみました。「実技方式」で入学したものと「学力方式」で入学した学生の数値をみてみました。「実技方式」で入学してきた学生は76名、そのうち「体罰(暴力)的指導」が「必要である」としたものは39名(51%)、「必要ない」とした学生が35名(46%)、「どちらともいえない」が2名(3%)でした。一方、「学力方式」で入学したものは83名、そのうち「必要である」は26名(31%)、「必要がない」は51名(61%)、「どちらともいえない」が6名(8%)でした。

 明らかに、入試区分で差が認められました。「実技方式」での入学生は、スポーツの技能や実績が高い学生が多いと考えらえれます。また、各競技の強豪校からの学生を多く含んでいます。それらの学生は、「体罰(「暴力)的指導」を容認する傾向があると考えられます。

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