2017年03月19日

安藤友香選手「忍者走り」で日本代表内定

 8月にロンドンで行われる世界陸上選手権の代表選考会を兼ねた「名古屋ウィメンズマラソン」が3月12日、ナゴヤドームを発着点に行われ、初マラソンの安藤友香選手(22=スズキ浜松アスリートクラブ)が2時間21分36秒で2位に入りました。安藤選手は日本歴代4位の好記録(初マラソン日本最高記録)で日本陸上競技連盟が定めた世界選手権の派遣設定記録を突破。女子マラソンの代表に内定。優勝はリオデジャネイロオリンピックで銀メダルを獲得したバーレーンのユニスジェプキルイ・キルワ選手(32)で、2時間21分17秒でした。

 これだけなら、東京オリンピックへ向けて低迷を続けてきた男女マラソン界に有望選手が現れたということなのですが、それ以上に注目を集めているのが安藤選手のランニングフォームです。忍者走り・乙女走りなどといわれています。腕をだらりと下げた独特のフォーム。この走法をなみあし的に解説してみましょう。

 安藤選手の腕をだらりとさげた走り、要諦は腕を下げていることではなく肩の動きが抑えられることにあると思われます。この走りは、15年以上前から金田伸夫先生や矢野龍彦先生らの研究グループが提唱されてきました。それらは「ナンバ走り」として著書にもまとめられています。

 その後、中国人選手によって手をだらりと下げて走る選手は現れたのですが、日本人選手でこれだけの成果をあげた選手ははじめてだと思います。

 さて、走動作を腰と肩の動きから考えてみます。例えば、左足が着地して右足が振りだされる局面では右腰が前方に出ようとします。その動きでカラダは左を向こうとします。しかし、走動作ではカラダはほぼ正面を向いたまま前進していきます。それは、カラダが左に向こうとする力を補償しているからです。そうしないと前に進むことはできません。そして、この作用は無意識に行われます。

 それでは、その補償はどのように行われているのでしょうか。最も知られているのが肩の動きによる補償です。左足着地で右足が前方に振り出される局面では、左肩を前方に移動させることによって補償します。腕を振ることも同様です。左腕を前方に振り出すことによってカラダが左を向く力を補償するのです。(ただ、腕を振る作用は、肩の動きを大きくする作用と、走歩行の速度によっては小さくする作用があります。このことは別の機会に取り上げます。)

 ところが、このように主に肩の動きで補償する走りは、腰(骨盤)と肩がほぼ逆方向に動くために体幹がねじれることになります。カラダに大きな負担をかけることは明らかです。体幹がねじれることによって内臓にも負担かかかる・・という説もあります。

 特にマラソン競技のような長距離走では、できるだけ体幹のねじれを抑えて走ることが理想だと考えられます。それでは、肩や腕ふりの以外で補償できるところはどこでしょうか。

 一つは腰(骨盤)の動きです。左足着地で右足が前方に振り出されるときに、左腰を前方に押し出す力を加えることで補償します。これが可能になれば、肩での補償は最小限に抑えられ、体幹を可能な限りねじらない走りが実現します。

 このときに、左腰を前方へ押すように動作すると上手くいきません。左股関節の外旋力を使うのです。例えば、左足着地で左ひざを伸展させようとすると左股関節は内旋傾向になります。そうすると右腰が前方に移動していきます。そうではなく、左ひざを逆に屈曲させる(屈曲を保つ)ように操作します。左股関節が外旋傾向になります。着地脚は固定されていますので、脚全体が外を向くのではなく左腰が前方に押し出されるのです。一般的な言い方でいうと「蹴らない」ということになります。

 そして、この「蹴らない」ことはもう一つの大きな補償を生み出します。それが足裏の摩擦です。実はほとんど語られていませんが、走歩行時のトルクは足裏の摩擦によって補償されるのです。このことは二足歩行ロボットの研究者に教えていただきました。イメージしにくい方は氷の上を走ると想像してください。まっすぐには走れません。足裏の摩擦が極端に少ないからです。

 「蹴らない」走りはフラット着地を生み出します。フラット着地は足裏の着地面積が広くなるので大きな摩擦を得られることになります。

 これらのほかにも、足部の状態などが条件になると思われますが、足関節に可動域がある日本人選手には体幹をねじらない走りが有効であると思われます。

 安藤選手の今後のご活躍を祈念いたします。

2016年12月31日

Mr.左荷重、浅井康太選手、惜しくも3着

 今年最後の大一番「KEIRINグランプリ2016」は30日、東京・立川競輪場の第11Rで争われ、稲垣裕之選手の先行に乗った村上義弘選手(42)=京都=が12年京王閣大会以来となる優勝を飾った。2着は武田選手。

 Mr.左重心として知られる浅井康太選手は3着。浅井選手が定期的に通う五体治療院(愛知県小牧市)の小山田代表によれば、「全体的に遅いペースで浅井選手の脚質が生かせなかった」とのこと。

 浅井選手とは何度かお会いしている。『怪我をしない体と心の使い方』(小田伸午、小山田良治、本屋敷俊介、創元社)の対談時も同席させていただいたが、その内容にはトップ選手特有の感性が・・・・。今後のご活躍を祈念したい。

2016年12月29日

Mr.左重心、浅井康太選手グランプリ2連覇なるか・・

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 昨年末、「左重心」でおなじみの浅井康太選手が、競輪の年間チャンピオンを決める「KEIRINグランプリ」(東京の京王閣競輪場)で5回の出場で初優勝を果たしてことをお伝えした。

 今年も、浅井選手(左から二人目)は6年連続出場、2連覇がかかる。

 グランプリは、開催日においてS級に所属し、かつその年のGIで優勝した選手および獲得賞金額の上位選手から9名が出場する。今年の開催は30日(金)

 また、同時に開催される寺内大吉記念杯競輪には、先日発刊された『怪我をしない体と心の使い方』(小田伸午、小山田良治、本屋敷俊介、創元社)で、小田先生、小山田氏、浅井選手と対談している山内卓也選手が出場。山内選手も昨年の同レースに優勝しており2連覇がかかっていたが惜しくも準決勝で敗退、決勝進出はならなかった。

 グランプリの模様は30日(金)15時55分より、日本テレビ系列28局で放送予定。

 是非、ご声援ください。

2016年12月23日

重心移動と足圧

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 今日は「2軸感覚ゴルフ」「ゴルファーなら知っていきたいからだのこと」の著者でおなじみの浜田節夫プロ(写真左)と久しぶりに大阪でミーテイングをさせていただきました。

 9月の東京セミナーを受講していただいた平尾貴幸プロ(写真右)と羽鳥則明トレーナーも東京からご参加いただきました。スイングの伸展・屈曲動作や重心移動について貴重なご意見を聞かせていただくことができました。

 ゴルフだけではなく、多くの方々は足圧と重心移動を混同している場合が多いのです。ゴルフではバックスイングで右足の足圧が高まるので同様に右に重心が移動していると捉えがちですが、足圧と重心位置を同様にとらえると動作を理解することができません。

 ゴルフでは重心を右から左に移動させる・・という教えもありますが、それは足圧が右から左に移るのであって、重心位置はそれほど変化ないと思われます。

 ご自分の専門分野に置きかえて考えてみてください。足圧と重心移動は違うことを確認してみてください。

 貴重なご意見をお聞かせいただきました、浜田プロ、平野プロ、羽鳥トレーナー、ありがとうございました。

2016年12月17日

意識と無意識をつなぐもの

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 スポーツ分野の方々とお話ししていますと、ほとんど呼吸についての操作が出てきません。以前、プロサッカー選手と雑談をさせていただきましたときに、

「ボールをキックするときは呼吸はどうするのですか?止めますか?。吐きますか?。吸いますか?」

とご質問させていただいたことがあります。

「考えたことありません。サッカーでは呼吸のことは言わないですね・・。」

とのことでした。

 動作の初動(動き出すときに)で呼吸はどのようにするといいのでしょうか。シャウト効果(声を出すと筋力がアップする・・)や武道などで掛け声をかけるので、一般的には呼気で動作することがいいとイメージされていると思います。

 しかし、古流武術では逆に吸気で動作する方法が伝わっています。

 呼吸を工夫してみましょう。動作のどのタイミング(機会)で息を吸うのか?、止めるのか?、吐くのか?。工夫によってパフォーマンスが飛躍的に向上するかもしれません。

 私は、呼吸法は大きく4つに分けています。胸式呼吸腹式呼吸逆腹式呼吸蜜息です。そして、この順序で訓練するといいようです。蜜息とは尺八奏者の中村明一氏が著書などで紹介されている呼吸法です。日本人の本来の呼吸法と言われています。

 内臓の機能で唯一意識的に操作できるのが呼吸です。その意味では、意識と無意識をつなぐものと言えるかもしれません。

2016年12月14日

水平感覚

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 小田伸午(関西大学)、小山田良治(五体治療院代表)、本屋敷俊介(阪神タイガース一軍トレーナー)共著による『トップアスリートに伝授した、怪我をしない体を心の使い方』(創元社)では、絶対水平感覚が取り上げられています。

 当研究会では、動作習得のために必要不可欠な感覚の一つを「絶対水平感覚」と名付けています。私たちの身体に常に一定方向に働く力は重力です。重力は垂直方向に働きます。この重力の方向を正確に感知することによって動作が洗練されるのです。以前は垂直感覚といっていました。

 さて、この絶対水平感覚が優れた選手らは可能か限り頭部を垂直に保って動きます。そのことによって水平感覚が磨かれるのです。この頭部を垂直に保つことは武術や武道ではよく言われてきたのです。宮本武蔵は「五輪書」の中で頭部の保ち方について「鼻筋を直にして」といっています。

 また、太極拳などでは「二目平視」といわれてきました。左右の目を水平に保てという意味です。これらの頭部を垂直に保つ条件は体幹にあります。体幹の各部が切り離されることによって可能となります。

 現在、流行のコアトレーニングは有益な訓練ではありますが、体幹を一つに固める・・と理解していると逆に水平感覚を低下させる結果になるかもしれまえん。

2016年12月06日

モデル歩きは「なみあし」なのか??

 先日、ミスユニバース日本代表にも選出され、ジバンシィのオートクチュールの専属イメージモデルとしても活躍、パリコレのプレタポルテ部門やミラノコレクション(プレタポルテ)などヨーロッパでご活躍されたモデルの方と歩調を合わせる機会がありました。

 その時に、彼女と私の上下肢の振られるタイミングが全く同じだったのです。つまり、一般の歩きより上肢が遅れて前方に振りだされるのです。

 また、リオオリンピックの開会式でスーパーモデルのジゼルが歩いた動画を教えていただきました。やはり、同様のタイミングなのです。そして、基本は腰と肩がローリングしないこと。

 なみあしの歩きはモデル歩きと共通点が多いことがわかりました。

2016年09月08日

動作改善用品「テノウチ」装着法

テノウチ小.jpg なみあし研究所では「肩」「肩甲骨」に着目しいます。

先日、五体治療院代表の小山田良治氏から送っていただいた上腕挙上時の肩甲骨の動きの動画をアップしました。ご覧ください。

 肩甲骨にある力をかけ(テンションをかけると言っていいのか?。まず、肩甲骨を適正位置おさめることが大切です。

 これができると、肩甲骨のテンションのかけ方で腕を素早く動かせるようになります。肩甲骨を適正位置におさめる方法の一つが動作改善用品(Supernatiral Quint V)のテノウチを装着してストレッチや走歩行を行うことです。

 テノウチは装着方法にコツがあるのです。セミナーを受講いただいた方々にはご説明しているのですが、今回その方法を動画と静止画でアップしました。(こちらからどうぞ)

 テノウチは「後歯下駄」とともに、なみあし習得の必需品です


2016年09月01日

上腕を挙上する

 

 近年、なみあし研究会では、肩に着目している。肩甲骨がよく動くことがいいとされてきたが、その本来の意味は上腕と肩甲骨を分離させることだ。

 先日、五体治療院代表の小山田良治氏から上腕挙上時の肩甲骨の動きをアップしたとの連絡が入った。まだ未完成とのことだが、挙上時に上腕を回旋させることによって、肩甲骨が戻る動きがわかる。

 しかし、上腕を適切に回旋させることは案外むずかしい。例えば、上腕を外旋させたつもりでも、肩甲骨を内転させてしまっていることが多い。まず、肩甲骨を適正位置おさめることが大切である。

 これができると、肩甲骨のテンションのかけ方で腕を素早く動かせるようになる。

2016年08月22日

日本人は短距離も速い・・・

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 リオデジャネイロ五輪第15日(19日=日本時間20日、五輪スタジアム)陸上男子400メートルリレーの決勝を行い、 予選と同じ山県亮太(24)=セイコーホールディングス、飯塚翔太(25)=ミズノ、桐生祥秀(20)=東洋大、ケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=の オーダーで臨んだ日本は、37秒60の日本新&アジア新記録で銀メダル。銅だった2008年北京五輪以来、2大会ぶりのメダルを獲得した。

 日本人のオリンピック陸上競技でのメダルと言えば、マラソンがすぐに思い浮かぶ。しかし、日本人は決して短距離が不得意ではないのだ。短距離では上位はネグロイド(黒人)系選手で独占されているのでそのように感じるだけ。

 ネグロイド系選手は短距離のような瞬発系種目でもマラソンのような持久力系種目でも活躍している。地形や気候の違いにより西アフリカでは瞬発力系がつよく、東アフリカでは持久力系がつよい身体がつくられたと考えられている。ジャマイカ在住の人々は西アフリカにそのルーツを持つ。

 さらに、近年になってジャマイカとイギリスの大学が共同研究で、ジャマイカのトップクラスのスプリンターの約8割が、筋肉中にαアクチニン3というタンパク質を遺伝的に多く持っていることが判明したらしい。αアクチニン3とは、瞬発力を生み出す筋肉・速筋が力を爆発させる為に収縮する際に支える役目を担っている。元々ネグロイドは、他の人種に比べ速筋が多いのだが、ジャマイカの人々はさらにつよい速筋を持ってるということだ。

 では、ネグロイド以外で10秒を切った選手は何人いるのか。

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 少し古い資料(2013年)しか見つからなかったのだが2人である。しかし、2015年に中国の蘇炳添選手が9秒99を記録しているので3人だと思われる。それはともかく、驚くべきはこの表に、4人もの日本人アスリートが名を連ねていることだ。

 これは以前から言われてきたのだが、ネグロイド系選手をのぞくと日本人は短距離においても速いランナーを量産しているのだ。近い将来、日本人スプリンターから10秒の壁を破る選手が出てくるに違いない。

一本歯(後歯)下駄