絶対水平感覚

日本のワールドカップブラジル大会(2014)は、予選4位という残念な結果で幕を閉じた。
第1戦のコートジボワール戦、本田選手の痛快なシュートで先制したが英雄ドログバの投入によって流れはコートジボワールへ。立て続けに2点を献上して逆転負け。
翌日、元Jリーガーの知人と電話で話をする機会があった。話題はコートジボワール戦に・・。
「日本人は雨が苦手なんです。外国人選手、特にアフリカ系選手は芝がぬれていても、まったく滑らない・・・・」
雨天であったことも敗因の一つだったらしい。はたして、それほどまで違う「バランス感覚」とは何か。
当研究会では、以前より「水平感覚」に注目している。「水平感覚」とは、身体が傾いても身体のイメージは水平を維持する感覚のことだ。
どんな困難な体勢でも「水平感覚」を保つ能力(感覚)を、私たちは「絶対水平感覚」と呼んでいる。日本人選手と彼らの違いは、この「絶対水平感覚」の有無によると考えられるのだ。
この「水平感覚」を保持する身体的条件は頭部の保ち方にある。左右の目が水平ラインを崩さないこと。つまり、頭部を垂直に保ち続けることである。
よって、研究会では10年ほど前までは「垂直感覚」と名づけていた。しかし、その後「水平感覚」と呼ぶようになった。
そして、この「水平感覚」を身につけるには体幹をある状態に保つ必要がある。現在、盛んにおこなわれている体幹を鍛える「コア・トレーニング」。しかし、体幹を固めて強化するだけでは、逆に「水平感覚」から遠ざかる可能性があるのだ。
研究会では、次のワールドカップ、および東京オリンピックに向けて「水平感覚」を含めたフィジカルリテラシーのプログラム開発に着手する話が進んでいる。
