2015.剣道世界選手権大会に思う


(写真は産経ニュースよりhttp://www.sankei.com/sports/news/150531/spo1505310064-n1.html)
剣道の第16回世界選手権最終日は31日、東京・日本武道館で52カ国・地域が参加して男子団体戦が行われ、決勝で日本が2−1で韓国に競り勝ち3連覇。
日本は準々決勝でブラジル、準決勝でハンガリーを5−0で下し危なげなく決勝へ。決勝は大方の予想通り韓国との対戦。昨年の全日本選手権を最年少で制した竹ノ内佑也(筑波大)が先鋒を務め面で1本を奪って先行、次鋒は敗れた後、中堅の正代正博(警視庁)が小手を2本決めて勝ち越し。その後、副将と大将が引き分けた。
今回の全日本チームは力が落ちているという下馬評もあった。しかし、韓国チームとの地力の差は明らかだった。前回以上に差があったように思う。
しかしながら、私たちが思案しなければならないのは、これだけの地力に差がありながら僅差の優勝ということなのだ。言いかえると、競技としての剣道は実力が明らかに上位でも勝利を得るとは限らないということ。私を含めて日本の剣道関係者がオリンピックへの参加に消極的であることに象徴されるように、競技化には反対している。しかし、競技化は年々進んでいるように感じられる。競技として一線を画して剣道を発展させることは可能なのか。
大将の内村選手、明らかに相手の間合いと技を見事に見切っていた。世界選手権の優勝かかかっているとすれば、昨日の試合以外に戦法はないであろう。もっと、堂々と戦え・・というのは酷である。最高の試合だ。
私たちは、若い剣士や少年剣士が、さらに剣道の伝統を受け継げるような方策を練る必要がある。もっと、正々堂々と、そして地力が評価されるルールを皆で知恵を出し合ってつくる必要があるのではないか。剣道は競技ではないというのは簡単だが、今のルールで勝利を絶対条件として送り出される日本選手の心中を思うと涙がでる。
若い剣士たちが国を背負って堂々と戦える競技としての剣道をつくる必要なないのか。そろそろ、競技としての剣道と真摯に向き合う時期にきていると思うのは私だけだろうか・・。