宮本武蔵(五輪書)「かかと(きびす)を踏むべし」の「かかと」は現代の「かかと」ではない。

2020-08-24

 近年、合理的身体操作法が注目されていますが、その中で「踵(かかと)を踏む」という操作が提唱されています。

 私も長年、「踵(かかと)を踏む」という身体操作法を提唱してきました。研究所ではそれを

 

「アクセルとブレーキを入れかえる」

 

と表現しています。私たちはカラダを前に進めるときには「つま先(前足部」に乗る(荷重する)とイメージしています。しかし、本来は足の「つま先(前足部)」はカラダの前進をとめる、または後進させるための部位です。

 カラダを前進させるときは「踵(かかと)」を機能させなければなりません。しかし、この操作には少し注意が必要です。

 「踵を踏むと」とは、もともと、剣豪宮本武蔵が著書『五輪書』の中に記している表現です。武蔵は、

 

「きびすを踏むべし」

 

と表現していなす。「きびす」とは「踵(かかと)」と現代語訳されています。しかし、現代の「踵(かかと」と当時の「踵(かかと)」は異なる部位であるらしいのです。

現代の「踵(かかと)」は足裏の踵骨(しょうこつ)のあたりの一部をさしますが、当時の「きびす」は足裏の中央から後ろ半分をさしていたようなのです。そうすると、武蔵がいう「きびすを踏む」とは、足裏全体を使うことを表現したのかもしれません。

 動画にまとめてみました。