2008年11月28日

合理的身体操作とは

 近年、さまざまな「身体操作法」や「技法」が伝えられたり紹介されたりしています。 私たちが提唱している「二軸動作・常歩(なみあし)」もその一つですが、目指しているのはどれも「合理的に動く」ということのようです。 「合理的に動く」つまり「合理的身体操作」とはどのような動きなのでしょうか。整理してみましょう。 img009.jpg

【内力と外力】 

 まず、実際に動いてみましょう。自然に立ってください。1メートルくらい前方の地面(床)にラインを引きます(目印を決めてもけっこうです)。左右どちらの足を踏み出してもかまいません。一歩でそのライン(目印)まで体を運んでください。さて、皆さんはどのように体を運ぶでしょうか。

 最初は1メートル先まで跳んでみましょう。左右どちらかの足で地面(床)を蹴って前進します。跳びあがるようにして動きます。次は、立ったまま前に倒れてみましょう。そのときに両足の踵(かかと)を上げないでください。踵(かかと)を接地したまま前に倒れていきます。そして、これ以上前傾ができないところまで倒れたらどちらかの足を前に踏み出してください。これら二つの方法を試していかがでしたでしょうか。何が違うのでしょうか。

 跳び上がる方法は主に「筋力」を使っています。「内力」ともいいます。からだの内側から出される力という意味です。一方、からだを前傾させる方法は、「内力(筋力)」よりも「外力(重力)」を使います。全く異なる感覚であると思います。

 「合理的身体操作」とは、このように可能な限り「外力(重力)」を使用する動きのことをいいます。しかし、ここで紹介したからだを前傾させる方法は、「外力(重力)」を使う最も初歩的なものです。動きを知る導入方法と理解してください。 

 

【体幹を使う】

 「合理的身体操作」のもう一つの重要なことは「体幹を使う」ということです。スポーツなどの動作を観察するときに、多くの方々は四肢(手足)の動きに注目します。同様に、自分で動作するときにも主に四肢(手足)の動きを意識します。

 しかし、四肢(手足)の合理的な動きは「体幹」の動きを伝えることによって可能となるのです。多くの方々が「体幹」の動きに無頓着で四肢の動きにとらわれています。それは、私たちはからだの末端の動きは意識しやすく「体幹」の動きは把握しにくいからです。

 「体幹」の動きは左右の股関節と肩甲骨の動きによって導かれます。近年、股関節と肩甲骨の重要性がいわれるようになりました。それは、それらを動かすことによって「体幹」が十分に使えるようになるからです。

 

 さて、二軸動作・常歩(なみあし)も、可能な限り「外力(重力)」を利用し、さらには体幹の動きを四肢に伝えることを目指しています。このことを理解してさらに具体的な身体操作を学びましょう。 

 

 

【常歩の身体操作とは】

 合理的な身体操作の二大要素は、外力(重力)の最大限の利用と体幹の動きであることはご理解いただけたと思います。体幹の動きの基礎は股関節と肩甲骨にあることも述べました。

 常歩(なみあし)は、その股関節と肩甲骨の特性を掘り下げることで生まれました。

 それは、これまでほとんど語られてこなかった股関節上腕内外旋です。さらに、股関節上腕の動きには左右の特性があるのです。つまり、身体の右軸(右半身)と左軸(左半身)は別々の動き方をするのです。

 これらの特性を踏まえながら、常歩(なみあし)の主な身体動作を紹介します。

 みなさんのご専門種目の動きに置きかえてみてください。

 

一本歯(後歯)下駄