左の図を見てください。股関節には大きく3つの動きがあります。脚を前後にふるときの動きを屈曲・伸展といいます。
つま先(膝)がからだの内側を向いたり外側を向いたりする動きを内旋・外旋といいます(わかりずらい場合は、右の図で確認してください)。
そして、脚がからだから離れたり近づいたりする動きを外転・内転といいます。
常歩(なみあし)は、そのなかで内外旋の動きに着目しました。例えば、みなさんが歩いたり走ったりするときには、脚が前後に動く伸展・屈曲の動きをイメージするのではないでしょうか。しかし、その動きに内旋・外旋の動きが加わることによって合理的な動作になるのです。
そのためには、立位姿勢や走歩行での着地脚のつま先(膝)の向きがやや外を向くことが理想です。
左の写真をみてください。08年北京オリンピック陸上競技女子100メートルのゴールです。見事な外旋着地です。
さて、ここで股関節の外旋について理解していただきたいことがあります。それは、外旋と外旋位についてです。
外旋とは股関節に外旋の力が加わっていることをいいます。大腿骨が外に回る力がかかっている状態です。
一方、外旋位とは骨盤に対してつま先(膝)が外を向いている状態をいいます。力の方向は関係ありません。ですから、股関節が外旋位であっても内旋(内旋力)がかかっている場合もあるのです。
上の写真の右の選手を見てください。左足は見事な外旋着地ですが、すでに右脚は前方に振り出され左の股関節は内旋がかかりつつあると思われます。
外旋と外旋位、内旋と内旋位を理解しましょう。