2009年05月19日
私たちが動作するときには、「内力(筋力)」と「外力(重力)」を使います。もう一度、このページの「合理的身体操作とは」−「内力と外力」の項をみてください。
そして、前に倒れこみながら1歩前にでる動きをしてみてください。そのときに次の二つの方法で行ってみましょう。まず、からだを前傾させるときにつま先立ちになって踵(かかと)をあげてみましょう。次に、踵をつけたまま倒れこんでみましょう。踵をつけたまま、倒れこむと同時につま先をあげるような感じです。
何回かくりかえしてください。どちらの方法が前傾しやすく前に出やすいでしょうか。踵を接地さる方が前進しやすかったはずです。
どうしてでしょうか。踵を接地させる方法は、より外力(重力)を利用しているからです。
左の図をご覧ください。前に倒れるときの支持点と重心を結んであります。垂線との角度を比べてください。踵を支持点にした方が角度が大きいことがわかります。つまり、踵を支持点にすればより前傾できるのです。
このように外力(重力)を最大限に利用するためには、重心点からできるだけ離れたところで支持することが大切なのです。
前進するときにはつま先より踵で支えたほうがスムーズに動くことができるのです。からだをどの方向に移動させるときでも、拇指球あたりで支えていませんか。
踵を踏む操作はからだを前進させるときのコツです。後退するときはつま先、右移動なら左足のアウトエッジ(外側)、左移動は右足のアウトエッジです。楽に立った姿勢からこれらのことを試してみてください。
踵を踏むという操作は、足裏全体をうまく使うことの象徴的な表現です。どんなときでも踵を踏むのではありません。