
18日・19日は神戸高専で近畿地区高専大会剣道競技大会。本校(奈良高専)は昨年6位(7校中)だったらしい。本年度は4位、学生はよく戦っていました。
数年前、「100年後剣道はこの世に残っているだろうか・・・・・?」と著書に書いた。
大いに剣道の将来に危機感を持っている。剣道人口は激減、歯止めがかからない。高専近畿大会も女子の参加者は5人。女性が離れるとその競技は衰退する。
武道(武術)の特性は、技(技術)の完成度を課題とすること。客観的な勝敗よりも身体動作を基礎とした技の完成度を問題とする。試合で勝敗のみを争うのは、明治以降入ってきたスポーツの影響だ。
例えば、水練。明治時代、競泳が入ってくるまでは日本には速さを競うという発想はなかった。ひたすら泳ぎの技の完成度を高めることが修行だった。
昭和の初頭、天皇の命で剣道の「天覧試合」が行われた。当時、武道専門学校(武専)の主任教授をされていた内藤高治先生は天覧試合の開催に当たっては頑強にその計画に反対したといわれている。
しかし、政府の「これは天皇陛下の命令である」という一言には抗するすべもなかった。開催にあたり、「これで日本の剣道も滅んだ」との言葉を残したことはあまりにも有名である。
また、「剣道(武道)はスポーツよりも次元が高い・・・」などという思い込み、恐ろしい。「剣道(武道)は、生死観を背景としているからスポーツよりも高い精神性が得られる」などという人もいる、正気だろうか。
現代剣道の稽古や試合で命を落とすことは稀である。
生死観で高い精神性が得られるならば、武道よりも「モータースポーツ」の方がよほど精神性が高いことになる。
20年ほど前「滅び行く剣道」という本を書いた剣士がいた。そのころは、まさか・・・と思っていたが・・・・・。
「外」に目を向けなければ、本当に剣道は滅んでしまう。