2014年11月16日

「現代剣道は何か変だ・・・違うような気がする」

 このように感じている剣士の方々は多いのではないでしょうか。私自身も、そのような疑問から剣道の技や動作を見直すことをはじめました。現代剣道の技や動作の複雑性は、他の武道(武術)の比ではありません。それは、日本刀から木刀そしてしない(竹刀)へとその媒介(武器)を変化させてきたからです。それぞれの媒介の特性を包含しながら、現在の剣道があります。

剣道左足.jpg

 さて、左の剣士からアドバイスを求められたら何と回答しますか。

「左足が残っている、もっと早い時期にひきつけ方がいい」

とアドバイスするかもしれません。しかし、早い時期に左足を引きつけようとするとこの剣士は逆に打突できなくなります。すこし乱暴な表現をすると、彼は左足を後方に残すことによって打突しているのです。そして、その原理は現代の歩き方、つまり「現代的歩行法」にあります。

 実は、現代剣道に伝わっている「教え」には、「現代的歩行」による剣道「伝統的歩行」による剣道の「教え」が混在しています。決して「現代的歩行法」による剣道が間違っているのではありません。しかし、試合で十分な成果を上げておられない剣士や、現在のご自分の剣道に何か違和感があり、稽古の内容を変えたいと考えていらっしゃるならば「伝統的歩行」とそれを発展させた「常歩剣道」を実践してみてください。

 「右・左・右・左」と歩きながら正面打ちを繰り返してください。ほとんどの剣士が左足前進で振り上げ右足前進で振り下ろすと思います。この打突動作が「現代的歩行」を基礎とした打突の原理です。なぜこのようになるのでしょうか。それは「現代的歩行」のある法則によります。その法則を「ローリングの法則」といいます。現代人は左足が出るときには左腰が前方に移動し右足が出るときには右腰が前方に動くのです。この「現代的歩行」で打突すると左足が前進するときに左腰も前進しますので「竹刀」を振り上げることに抵抗がありません。そして、右足前進時では右腰が前に出て左腰が後方に引かれるので左手が引手となって振りおろし動作となります。

 しかし、「伝統的歩行」が基礎となっていると右足前進で振り上げ左足前進で振り下ろす方が抵抗がありません。「伝統的歩行」は、腰のローリングがなく腰が固定されています。右足前進時には左腰を前方に押し出す力が加わっています。ですから、右足前進時では左腰を押し出す力が働くために左で「竹刀」を振り上げる方が抵抗なく自然に感じられるのです。

 このように「歩き方」によって剣道の打突動作の原理が全く異なってしまうのです。どちらの打突がいいとは一概に言えませんが、私は日本の伝統文化である剣道の特性を残すためには「伝統的歩行」を原理とした剣道を実践したいと思っています。 


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