第93回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)の決勝、日大三(西東京)が光星学院(青森)を11―0で破り、10年ぶり2度目の全国制覇を果たした。 2年ぶり14回目出場の日大三は、強力な打線で勝ち上がり、初優勝した第83回大会(2001年)以来となる決勝に駒を進め、参加4014校の頂点へ登り詰めた。1974年に東京大会が東西に分かれて以降、西東京勢としては第88回大会(06年)を制した早稲田実以来、4度目の栄冠。

 青森県勢の決勝進出は実に42年ぶり。太田幸司投手をようして、松山商業との18回引き分け再試合で敗れ準優勝に輝いた三沢高校以来だった。私たちの年代では「語り草」の一戦だ。心情としては光星学院に勝たせたいと感じていたのは私だけではなかろう。

 今日は吉永(日大三)・秋田(光星)両投手の動作について記してみる。両投手とも右の本格派、将来を嘱望される優秀な投手であることには間違いない。しかし、投球動作に関してはかなり差異がみられる。特に頭部の使い方。

 両投手とも左足をステップ(接地)する局面では、頭部が一塁側に倒れている。しかし、吉永投手(日大三)は、その後リリース直後まで頭部が一塁側に倒れたまま、その後頭部を三塁側に戻している。一方の秋田投手(光星)は、左のステップ後、すぐに頭部が三塁側に戻り始める。リリース時には、ほぼ頭部が垂直に立っている。その後、三塁側に倒れていく。頭部の操作は、肩の開き(右肩の出方)に関係する。頭部を傾けると同側の肩が前方へ出ていく。

 吉永投手は頭部の戻しが遅い分、腕が遅れて加速しながら出ていく。バッターとしてはタイミングがとりにくいか。しかし、制球力に多少難があるかもしれない。一方、秋田投手は、頭部が立っている分、コントロールがいいはずだ。しかし、多少開きが早いフォームとなる。打者からは見やすいのかもしれない。ただ、吉永投手に比べると、無理なく合理的な動作だ。

 この投球フォームによる頭部は、さらに洗練されてくると、左右に振ることなく操作される。下の写真はダルビッシュ投手。投球動作のスタートからフィニッシュまで、ほぼ頭部を垂直に保ち、可能な限りわずかな頭部の動きで「体幹」を操作している。 

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