昨日の神戸(六甲道)での講習会、会員になっていただいているダンサーの方から嬉しいお話をいただいた。プロの競技会で優勝されたそうだ。ここ数年、悩んでおられたそうだが、先日の競技会では思い切って「抜き」などの常歩(なみあし)の操作を試してみたとのこと。重心は滑り落ちるように・・・・。

 すると不思議なことに、師匠より「力強くなった・・・・よくなった」とお褒めの言葉をいただいたとか。しかし、ご本人が目指したのは逆のことなのだ。できるだけ力(内力)を用いないで踊ること。どうしても乗り越えられなかった壁を突き破ったと嬉しそうに話してくれた。そういえば、私自身、常歩の剣道が身についた頃、周りから「ウエイトトレーニングを始めたのですか」と何人もの方から言われたことを思い出した。自分では、逆に力を使わないことを目指したのに・・。

 私たちは常に、地球から重力を受けている。一般に私たちは力をkgで表すが、正確にはkgは質量の単位。地球(地面)が私たちを引っ張る「力」は、体重が60キロの人であれば、体重(60キロ)に重力加速度(9.8m/秒/秒)をかけた値(588kg・m/秒/秒)となる。力の単位はN(ニュートン)なので、60キロの人を地球が引っ張る力は588N(ニュートン)ということになる。剣道で用いる竹刀の重さは約500グラム、よって地球が竹刀を引っ張っている力は4.9Nである。60キロの人が立っているということは、常に地球が引っ張る力(588N)と同じ力で垂直方向に力を加えているということ。竹刀も同様に4.9Nの筋力で保持している。

 例えば、その588Nの力を一瞬ゼロにすれば、カラダは地面方向に同じ力で引っ張られることになる。竹刀も同じだ。頭上に振りかぶった状態から、竹刀が落ちないように保持している力を抜けば、竹刀は地面方向に動き出す

 からだや竹刀に地面方向への力を加えるとは、それらを支えている力を抜く(ゼロにする、もしくは減少させる)ことと同意なのだ。動作において、ある意味、力を抜くということは力を加えることと同じこと。力を抜くことによって力を作り出すことができる。

 神戸での講習は、毎月一回のペースなのだが、プロのダンサーの方は「それでも感覚がからだに残る・・・」と話されていた。月一の講習でも十分効果があると話されていた。神戸の講習をはじめてよかった・・・。

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