先日も「歩み足」について書いたのだが、武道(武術)では、左右の足を交差させる足さばきを「歩み足」と言う(普通に歩くような足さばきの意味だ)。現代剣道において、「歩み足」は特別な場合を除いては使用してはならない「足さばき」とされている。通常は送り足を用いる。例えば、右足を踏み出したら左足は右足を追い越してはならない。常歩による剣道を提唱して、様々な「足さばき」が可能になることを説いてきた。それ以来、「歩み足」による剣道が注目されるようになった。

 しかし、多少誤解があるように思う。合理的身体操作による「足さばき」とは決して「歩み足」だけではない。現代剣道の「送り足」も合理的な足さばきなのである。
 「送り足」や「歩み足」等は、下肢の動きでの分類だ。しかし、身体動作学の立場からいえば、四肢の動きから離れなければその要諦はわからない。一般的に現代剣道で「歩み足」と言われている足さばきは「片踏み」のことだ。右自然体(半身)のまま前進する。つまり、現在、剣道において「送り足」も一般的に解釈されている「歩み足」も同じ足さばきと言える。
 本来の「歩み足」というのは「片踏み」ではなく、左右の「単え(ひとえ)身」(半身)によって結果として現れる。右の「単え身」では右足が前に、左の「単え身」では左足が前に位置することになる。それが「歩み」に見えるだけだ。この左右の「単え身」による「歩み」を習得すると、実践者は全く歩みを意識しなくなる。

 表出する動作は「そうなるのであってそうするのではない」。

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