世界選手権陸上ベルリン大会(09)で見事に銅メダルを獲得した村上幸史選手。彼のステップに着目しました。
この動画を見てください。最初に投げるのが「バシレフキス選手」、次が「村上選手」です。
最後の3歩に注目してください。
右投げであれば、最後の3歩は、「左」・「右」・「左」なのですが、村上選手は「右」が2回接地します。
接地の順序で言うと「左」・「右」・「右」・「左」です (接地4歩前の「右」を引きずっているとみることもできます)。
このステップは、やり投げの技術としてあるのでしょうか?。
最初の「右」の接地は、つま先を引きずるようにしてステップしています。このステップにより、右が早く出て行くのを抑えています。最後の2ステップまで、左が先行し右をのこすかたちをつくっています。
この動きがやり投げの技術にないとすれば、非常に巧妙な動きを取り入れていると言えます。
そして、このステップは「ホッピング」の効果を生み出しています。「ホッピング」とはケンケンです。片足で距離を出して跳ぶ動作をさしますが、「ホッピング」は体幹(骨盤)の前傾を保つ効果があります。
二軸動作的に言うと、このステップにより右軸をのこすとともに、早くからだが起き上がることを防いでいます。
上の画像で分かりにくい場合は次の動画もみてみましょう。
このステップ(まだ名称をつけてません・・すでにあれば教えてください)に酷似した動作を、ジャマイカの短距離選手らがスタートで使います。2歩目を引きずるように踏んでいきます。
これも、前傾を保ちハムストリングのテンションを維持するためのものだと思われます。
「やり投げ」については、今泉諭先生(群馬県立大間々高等学校)よりレポートを投稿していただきました。是非、ご覧ください。
http://www.namiashi.net/category/1257087.html
(投稿レポートのコーナーよりダウンロードしてください)