スポーツや武道(武術)を左右の自然体で考えると面白い。左足・左肩が前でるのが「左自然体」、右足・右肩が前にでると「右自然体」という。武術の流派によっては「半身」という場合もある。ただし、一般的には「半身」という場合には、自然体よりもさらにからだを開くことが多いようだ。

柔道構え.bmp

 スポーツと武道(武術)の違いは、思想性にあるのではなく、動作性にもある。スポーツはからだを前方に押し出す(進める)ことが主動作であり、武道(武術)の動作特性はからだを止める、または引くことにある。

 写真は、嘉納治五郎先生と三船久蔵先生である。確認したわけではないが柔術の型だと思われる(情報をお持ちの方はお知らせください)。右自然体だ。古流柔術の型はほとんど右自然体の構えらしい。

 批判を覚悟で大雑把に言えば、スポーツは左自然体、武道(武術)は右自然体ということになる。現代のしな打ち剣道は、打突後からだを前方に進める。これは、明治期から大正期にかけて構築された新しい動作性である。この意味からも、現代剣道はスポーツ化している。競技化だけがスポーツ化ではない。

 このように検討してくると、剣道の中段の構え(右自然体)は現代剣道の動作性とは矛盾している。左自然体が合理的であるはずだ。以前、左上段が全盛期であった。ルール改正により左上段の剣士は激減したのだが、現代剣道の動作性から鑑みれば、左自然体を主体とした左上段は合理的であったことになる。

 そこで、昨年から左の片踏み歩行で基礎をつくり、左自然体の構え(中段)を試みたところ「歩み足」の剣道が出現した(常歩剣道のコーナー

 スポーツの動作も、左右自然体としてみると分かりやすい。 

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