The 30th International Sport Science Congress In Commemoration of the 1998 Seoul Olympic

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 10月11日〜12日に「Wonkwang University」(韓国)で開催されました、

The 30th International Sport Science Congress In Commemoration of the 1998 Seoul Olympic

に招待発表者(http://www.kahperd-congress.or.kr/modules/doc/index.php?doc=intro)として発表の機会をいただきました。本学スポーツ学部、鄭英美先生のご尽力により訪韓が実現いたしました。

タイトルは「身体動作と左右に関する研究」。発表後は「利き手」「利き目」などのご質問を受けましたが、仮説を立てている「左右自然体の法則」は「利き手」「利き目」には影響を受けない法則であると考えています。

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 発表後は日本の先生方とは別れ、2月に本学を訪れていただきました朝鮮大学のソウ先生の研究室へ。ソウ先生はテコンドーのご出身ですが、現在は朝鮮大学剣道部の部長をされています。体育館をはじめ素晴らしい施設が完備している大学でした。

 来年、2月には本学剣道部が訪れる予定です。

教えない勇気

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 先日は、生まれてはじめてのカヤックに挑戦。名古屋のセミナーを受講していただいた石田元子氏の元をたずねました。石田氏はオリンピック出場経験があり今も現役選手。私は「レジェンド」と呼ばせていただいたいます。

 参加メンバーは8人、私の他、東京のインストラクターの佐々木正明氏・名古屋のインストラクターの林俊治氏・高木俊文氏・大関朋子氏、そして大関氏のお子様3人。

 カヤックは思いのほか難しいものでした。カラダの支えがありません。午前・午後と約4時間悪戦苦闘しましたが、10メートルもまっすぐ進みませんでした。(笑)

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 しかし、悪戦苦闘する大人たちを尻目に、30分もすると自由に乗りこなしたのはちびっ子たち。石田氏によれば、例外なく子どもたちは短時間で要領をつかむのだそうです。引く力が弱い(ない)ので無意識に押すようになるとか。カヤックのコツは「押すこと」だとか。

 そして、ちびっ子たちと同様にカヤックを操っていたのがインストラクター最高齢の佐々木氏。1時間もすると少し上流の急流に挑戦していました。石田氏曰く「こんな人はじめてです、すばらしい」。

 講習後、中学校教諭でもある林氏としばしカヤック談義。

 子どもたちは何も教えなくても技を覚えていく。石田さんも必要なこと以外は子どもたちには言いません。ちびっ子たちは、パドリングやら、足に使い方、上半身の使い方を勝手に自然にやってしまう。おそるべき身体能力。大人になるにつれて身体能力をどんどん手放していく。子どもたちの身体能力を潰しているのは教えるのが大好きな大人かもしれません。

 指導者に必要なのは「教えない勇気」なのかもしれません。

美しくかつ合理的に歩く

2018-08-21
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 「女性の美しい歩行とからだにやさしい歩行の両立」が長年の課題でした。一般的にスポーツや武道および日常の動作は洗練されてくると美しくなるものです。動作の合理性と美は共存せざるをえません。

 しかし、巷でいわれている女性の歩きは、美しさと合理性(無理がなくからだにやさしい)が共存していないのです。以前から不思議に思っていましたし、それを解決することが長年の課題でした。

 ローリング(腰の水平回転)とそれを限定する要素を組み合させることによって合理的な歩行を土台とした美しい歩きを導き出すことに成功しました。

 上の写真は名古屋の講座にご参加いただいた、認定インストラクターの大関朋子氏(さとう式リンパケアインストラクター・MRTマスター・セルフケアマスター)と1級受講者の勝又良子氏(リラクゼーションセラピスト)に「なみあし美ウォーク」で歩いていただきました。

 「なみあし美ウォーク」は1直線に足を踏みますが、腕振りの方向とタイミング、さらには体幹の乗り込みにより、骨盤を必要以上にローリングしないからだにやさしい歩きが実現します。

1級2期生講座A(福岡)

2018-07-29
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 昨日は、福岡での第一回目の「1級2期生講座」を開催。福岡での受講者は2名。左の写真、私の右はトレラン(トレイルランニング)をご専門にされている中牧誠氏。左は競輪選手の俵裕一郎氏。

 当研究のセミナーや講座を経験されて、中牧氏は「登りが格段と楽になりました」、俵氏は「どのように動作を変えればいいかわかるようになりました」とのこと。1級講座(インストラクター講座)には、それぞれの分野の専門家やプロの方々が多く参加されています。

 右の写真は鹿児島でご活躍されているインストラクターの杉浦康雄氏。杉浦氏は正式な開講に先行して「マスターインストラクター講座」を受講していただいています。「マスターインストラクター」を取得後は、基礎セミナー・2級講座だけでなく1級講座も開講していただく予定です。

 正規のマスターインストラクター講座は2019年1月より開講予定です。

ワールドカップ2018、ベルギーに惜敗

2018-07-04
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  サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本は2日、決勝トーナメント1回戦でベルギーと対戦、2-3で敗れた。

 日本は後半3分、MF柴崎岳のロングボールにMF原口元気が走りこんで先制。7分にもMF乾貴士が約23メートルのロングシュートを決めて2点差に。

 しかし、ベルギーは、2点を追う後半20分にMFマルアン・フェライニとMFナセル・シャドリを投入。その直後の後半24分にフェルトンゲンがヘディングで1点を返し、さらに29分にはフェライニが同点弾となるチーム2点目を決めた。後半アディショナルタイム(追加時間)の49分には、シャドリがついに決勝点を挙げた。

 2−0のリードを奪った段階で日本はベスト8を引き寄せたかと思われた。ベルギーの底力をまざまざと見せつけられたが、日本男子サッカーの未来に一筋の光がさした試合でもあった。

 ポーランド戦で試合終了前10分間、積極的に攻めることなくボールを回した日本だが、2点リードのベルギー戦ではあえて3点目を奪いに行っているように見えた。日本ベンチには2−0でリードのシミュレーションはなかったに違いない。1−0のままであれば違う展開になっていたと思われる。

 攻撃は最大の防御というありていないい方もあるが、勝負は守りで決まる。なぜかというと、ほとんどの勝負事で攻めるより守る方が確実性が高いからだ。

 武道(武術)でも、守りが体系化されていないように思われがちだが、実は防御が洗練されているので、ほとんど守りであるとわからない。その奥義を「懸待一致」などと表現する。

 ポーランド戦で明らかな時間稼ぎで海外メディアに指摘されたが、守りの戦術が洗練されれば時間を空費しているとさえ気づかれないであろう。

 そういう意味では、今後の課題は洗練された防御システムの構築にある。

錬氣法

2018-07-01
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 からだに作用する(からだを動かす)力は「内力(筋力)」と「外力(重力・地面反力)」。しかしながら、内力・外力だけでは説明がつかない「力」があることも確かです。多くの方がそのことに気づいていると思います。

 その「力」を実感することで動作感覚が変容していきます。当研究所では「氣」を実感する方法として錬氣法を紹介しています。

 (1)放鬆功・(2)胴体力トレーニング・(3)外旋トレーニング・(4)スワイショウ・(5)站椿功(タントウコウ)を実践することによって、自発を導くことができます。

 自発とは自身の意思とは関係なくカラダが動作することを言います。自発を経験することで「無(無意識)」でカラダと動作させる感覚と方法が養われます。

 当研究所の錬氣法は参加者の3分の2以上に方に自発が現れます。「氣」は決して特別な訓練をして得るものではなく、だれにでも作用している力です。錬氣法によってその力を表出させることができます。

ワールドカップサッカー決勝トーナメント進出

2018-06-29
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 2018ワールドカップサッカー、予選H組最終戦、日本はポーランドに0−1で敗れたものの、H組2位で予選を突破し決勝トーナメントに進出した。

 別会場で、コロンビアがセネガルに先制したため、日本は試合終了前約10分間、積極的に攻めることをせず、ボールを回して失点を防ぐ戦法を選択した。

 決勝トーナメント進出の可能性を考慮すれば、最も確率の高い戦法を選択したといえる。

 しかし、この戦法に対しては賛否両論が伝えれている。

 北アイルランド代表のマイケル・オニール監督は英BBCの番組で「指導者として、別の試合で何が起きるかに運命をそっくり預けるとはあぜんとする。日本が好きになっていたのに、正直、次戦ではボコボコにされてほしいと思う」と突き放した。

 仏スポーツ紙「レキップ」(電子版)は、「後半30分まではさして面白くない試合に過ぎなかったが、残りの15分はあまりにみっともなかった」と酷評。「日本は決勝トーナメントに進めると考えて、10人でパス回しを始めた。結果、日本は予選を通過したが、栄誉は伴わなかった」と評した。

 60年ぶりにワールドカップ出場を逃したイタリアのコリエレ・デラ・セラ紙(電子版)は「フェアプレーの逆説」として、日本は「失点を恐れ、延々とパス回しをして時間をつぶすことに決めた」と報じた。一方のポーランドにも「2点目を挙げる必要がなかった」と指摘。「先に進むためには免責されるのか……」と疑問を投げかけた。

 さて、日本ではあるスポーツライターの方が、「この試合は、日本人のスポーツに対する考え方の転換期になるかもしれない」と語っていた。

 日本の身体運動を考察すれば「勝敗とは異なる価値観が有する」ことがその特性であった。勝つことも重要だが、それと同様がそれ以上に大切な要素が存在するとされてきた。それは、ありきたりな正々堂々と戦うというようなことではなく、技術や技能の優劣と競技の勝敗は一致しない場合もあるという考え方である。

 確かに、戦法としては有意義であったが後味の悪さが残ったことだけは確かだ。そして、前述のスポーツライターの方が指摘したように、この勝利が日本人の勝敗観を変える契機になるかもしれない。

後歯下駄セミナー開催

2018-06-12
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 6月9日(土)東京・10日(日)名古屋で「後歯下駄セミナー」を開催しました。東京は15名、名古屋は7名の受講者がありました。当研究所では4年前より「後歯下駄」を紹介してきましたが、すでに350人以上の方が「後歯下駄」でトレーニングをされています。

 「後歯下駄」は乗るだけで比較的容易にニュートラルな姿勢(骨盤の位置)を体得することができます。また、履き方によって動作時の「足趾(足の指)」の操作法を覚えることができます。今回のセミナーでは足趾操作についても詳しくお伝えしました。

 名古屋の受講者からは次のようなメールをいただきました。

木寺先生、昨日はありがとうございました。下駄の履き方は、おもしろかったです。外旋位からの歩行、遊脚の沈み、支持脚のアシスト・・・どれもこれも勉強になりました。」

 私自身、二日間講習で長時間下駄を履きましたが、翌日の稽古(剣道)では動作感覚が格段明確になっていることに驚かされました。

 また、セミナーでは新たに「足半(あしなか)下駄」を紹介いたしました。「足半(あしなか)下駄」は、台座の後足部がありませんが、実はその構造により、動作時の「足趾」と「かかと」の操作を習得できます。

 この度「足半(あしなか)下駄」の販売を開始することにいたしました。木材の入手状態により、今回は10足限定です。

 下駄トレーニングは短時間で動作感覚を変容させることができます。是非、活用してください。また、引き続き「後歯下駄」の販売もいたします。

 写真左は「足半下駄」、右は名古屋受講の皆様です。この中にはオリンピック出場者も。

日大アメフト部違反タックル問題

2018-05-30

日大アメフト部の当該選手によって関学大QB選手が全治3週間のけがをおった事件は、毎日大きく報道され社会問題にまで発展した感がある。

暴力的指導ができなくなって以降、古い体質の指導者らは、選手の人権を無視するような言動を浴びせるなどして、精神的に追い込む指導に変えたと聞かされていた。

優秀な選手を精神的に追い込んで強くするというのが前監督の指導方法だったらしい。さらに、部内で近年暴力が横行していたことも明るみになってきた。

暴力や理不尽な言動によって選手を精神的に追いこむ指導によってしか、選手を上達させる術を知らない指導者がいることに驚かされる。そして、理不尽な指導を受けた選手らは、そのことによって強くなったと勘違いして指導者になるとその指導方法を真似るようになる。

理不尽な指導は連鎖していく。

さて、今回の事件で「大学スポーツのあり方」に言及する識者が多い。教育の範疇でのスポーツ活動は「人間形成(人づくり)」であるから、暴力や理不尽な言動による指導はあってはならないとする論調が多い。

しかし、私は教育現場で行われるスポーツ活動だからこそ、暴力や理不尽な言動による指導が容認されてきたと考えている。明治期以降、日本のスポーツは学校で発展してきた。例えば、ベースボールはいきなり学校に入り込んで「野球」となった。学校で行われるスポーツ活動は教育の一環とみなされた。

教育の一環であるからこそ、暴力や理不尽な言動に耐えさせることによって「人間形成」がなされる、という論法がまかり通ってきたといえないだろうか。

遊びであれば、暴力や理不尽な言動による指導が入り込む余地はほとんどない。教育だからこそそれらが容認されてきたともいえる。

さらに、教育現場で行われるスポーツは「負けられない」「負けてはならない」ものとなった。なぜかというと、学校対抗となったからだ。学校の名誉を背負って臨む試合は、負けることが許されないものとなった。

こうして日本のスポーツは、教育の一環であるといいながら負けられないという、相反する性質を抱えていびつなものになった。

私は、日本のスポーツが健全なものになるためには教育とスポーツを切り離すことが大切であると考えている。スポーツの技術や動作の習得を第一義とすることによってスポーツによる本来の人間形成がなされると考えている。

伊吹山へ

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 先日、滋賀県の伊吹山に登ってきました。登山道も分かりやすく、迷うところもないのですが、私にとってははじめての標高差1000メートル以上の山でした。

 休憩を入れて3時間半かかりましたが、一緒に登った妻は2時間40分で登りました。登山口から山頂までほぼ別行動です。

 登山を始めて8ヶ月足らずですが、徐々に自分のペースが分かってきました。呼吸が乱れないペースを守って歩くこと。そのペースは歩幅で調節すること。

 そうすると登りは平地と同様に歩くことができる事がわかりました。妻は、カラダに負荷がかからないと登った気がしない‥と言ってペースを上げていきます。

 多くの登山者の歩き方を拝見すると、もっと外旋位にした方がいい局面があると感じます。

 5月には私の講座にもご参加いただいている登山家の方とご一緒に北アルプスの焼岳に登る予定です。

 高齢者登山がブームなのですが、将来、安全にカラダに優しい山の歩き方を提唱できればと思います。

抜き(屈曲)で登山

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先日、単独で由布岳へ。私の場合、景色を眺めることより、歩行中の体感覚を確認したり、他の登山者の歩きを見ることの方が楽しい。

 頂上近くは。ガスがかかり強風だったため、難易度が高い西峰ではなく東峰へ。

 先日、東京のセミナーに北アルプスで登山を指導されている方がおいでになった。「抜きで上るためにはどうすればいいのか」「下りの歩き方は・・」など、興味深い意見交換をさせていただいた。まだまだ、私自身登山初心者なのだが、登山は上ったり下るのではなく「歩く」のだと感じている。登りや降りを日常の歩行と同じように歩けば体力の消耗はほとんどない。上りも下りも斜度が大きくなるほど「歩幅を狭く歩隔を広く外旋位で」がコツのようだ。

 下りはつま先は広げずに内旋でブレーキをかけることがよさそうだが、膝に負担がかかりすぎる。下りであっても斜度が大きくなればなるほど外旋位で膝を抜きながら歩幅を狭くすることが大切。たぶん、登山で膝を痛める方の多くは、下りで歩幅を広くするために膝の負担が大きくなるためと思われる。

 斜度によって歩幅と歩隔を調整することによって、日常の歩きに近づけることができそうだ。

山田宗司マスターインストラクターによるパーソナルレッスン

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 2月17日(土)は大阪で1級講座・2級講座(A)を実施しました。

 その後、はじめての試みとして山田マスターインストラクターによるパーソナルレッスンを実施しました。今回は、アドベンチャーレースの選手である前川一彦氏がレッスンを受講されました。

「若い時のように力だけでなく、カラダの操作法を学びたいと考えて・・・」

とのことでした。90分間のパーソナルレッスンでずいぶん動作や感覚に変化があったようです。山田マスターインストラクターの「パーソナルレッスン」は今後、30分間の「ワンポイントパーソナルレッスン」として定期的に開催することにしました。次回は、3月31日(土)に東京で開催します。

「左荷重」・「無限流」は海を渡るか!

2018-02-09
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2月5日(月)から9日(金)まで、本学(九州共立大学剣道部)は韓国朝鮮大学剣道部の訪問を受けました。歓迎会・稽古・試合・観光など、有意義な5日間を両校剣道部員とともに過ごさせていただきました。朝鮮大学剣道部は昨年の全韓大学大会で第3位、実力のある剣士がそろっていました。また、礼儀やマナーも素晴らしく学ぶところが多々ありました。

 右の写真はソ・ヨンファン部長。部長から感謝杯を授与されました。中央の写真で私(木寺)と握手しているのは、オ・ギルヒョン監督。5年ほど前まで、韓国ナショナルチームで活躍された剣士です。彼とは3日間、ゆっくりと剣道について語り合いました。驚いたことは、彼が「左荷重」からの打突を知っていたことです。高等学校から入学した学生には、まず左を軸にしての右からの打突を徹底的に指導するそうです。また、彼自身の剣道も日本や韓国の若い選手とは全く異なるものでした。さらには、競技化やオリンピック参加問題などに関しても意見交換ができました。

 韓国では、以前は踏み込み足は強く踏み込むほうがいいといわれていたそうですが、最近では右足を低く前進させることがよいと言われるようになったそうです。韓国の剣道界は必死で日本剣道を学ぼうとしていることが感じられました。その姿勢には感銘さえ受けました。

 朝鮮大学剣道部とは今後定期的に交流することになりました。「左荷重」「無限流」は海を渡るかもしれません。

2018年「セミナー」「講座」はじまる。

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 2018年の「セミナー」「講座」がはじまりました。

 1月20日(土)に大阪で今年のスタートを切りました。まずは、基礎セミナーの座学と実技を実施。1級1期生(インストラクター)の受講生も含め13名の受講がありました。実技は認定インストラクターでカイロプラクターの武智義雄氏が担当。工夫された実技内容でした。基礎セミナーの後は1級講座対象者に向けて認定実技内容を中心に約2時間の実技・・。

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 1級講座の後は、認定マスターインストラクターの山田宗司氏による「からだアクチベーションメソッド」が行われました。特殊ボードを用いて合理的身体操作を習得するためのからだをつくることを目的としています。2月24日(土)には東京でも開催します。また、2月17日(土)は大阪で山田氏による姿勢改善を目的としたストレッチセミナーとパーソナルレッスンも開催いたします。

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 最後は専科セミナー「錬氣道場」を開催。昨年末より、カラダに作用する「氣」について取り上げています。「放鬆功」「胴体力トレーニング」「外旋ストレッチ」「スワイショウ」「站椿功」により「氣」を感じることができます。90分の実技で半数以上の方に自分の意志とは関係なくカラダが動く「自発動」が発現します。画期的な「錬氣システム」です。

 「氣」は元々すべての人に作用しています。カラダの抵抗を取り去ることによって「氣」の作用が表出してきます。決して苦行などにより会得するものではないのです。

セミナー「氣力を知ればすべてが変わる」

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 11月25日(土・大阪)に続き、12月2日(土)には東京で専科セミナー「氣力を知ればすべてが変わる」を開講しました。

 氣をいかにして錬るか・・をテーマに行いましたが、この錬氣法は15年間以上、私が実施してきた方法です。

 まず、座学によってカラダを動かす「力」について整理し、その中に「氣力」があることを述べました。その後、90分の実技で錬氣法を体験していただきました。

 今回のセミナーでは、3分の2以上の方に「自発動」があらわれました。「自発動」とは、自分の意志とは関係なく「カラダ」が動くことをいいます。この「自発動」には様々なとらえ方や賛否両論あるのですが、「自発動」が出ると、内力(筋力)・外力以外にカラダに作用する力があることが実感できるため、動作の感覚が著しく変化します。また、場合によっては人生観も変わってしまいます。

 定期的に錬氣法のセミナーを開催したいと思います。

大阪教育大学大学院健康科学専攻「成果報告」

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 昨日は「大阪教育大学大学院教育学研究科健康科学専攻」の第1回同窓会総会で「成果報告」をさせていただきました。私は夜間(社会人)大学院に2010年入学、2012年に修了しました。

 修士論文のタイトルは「現代剣道における剣道技術論に関する研究−「単え身」による剣道技術論の構築に向けて−」。

 内容は要約すれば「現代剣道の技術の拠り所を「日本刀」ではなく、「前近代の歩行原理」に求めることによって、伝統的な剣道の技が竹刀を用いた現代剣道でも発現する。」となります。

 日本刀での剣道技術の伝統を受け継ぐためには、竹刀を日本刀の観念で操作するのではなく、日本刀を操作していた時代の「歩行原理」で竹刀を操作すべき、そのことによって竹刀の合理性追求しつつ日本刀の伝統が受け継がれると考えられます。

 この内容はすこし読みやすくして「日本刀を超えて〜「身体」と「竹刀」から考える剣道論」として発刊されました。大学院の学びがなければ「左荷重」の剣道は生まれていませんでした。

 50歳を過ぎて大学院に通いましたが、学生という立場での大学生活がこんなに楽しいものだとは思いませんでした。

 写真中央は、社会教育・平和教育がご専門の山田正行教授。大学院時代は興味深い講義にひきこまれ、毎週山田先生の授業を心待ちにしておりました。修了後も、ご著書をおくっていただくなどご指導をいただいております。

名古屋基礎セミナー

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 10月7日(土)、名古屋で「基礎セミナー」および「特別セミナー」を開催しました。

 「基礎セミナー」の実技では、認定インストラクターの望月佐多央氏と高木俊文氏による指導が行われました。それぞれ、基礎セミナーをよく理解し、オリジナルな指導方法を交えるなど、私も勉強になる内容でした。

 名古屋での開催はそれほど多くはないので、今後、インストラクターの方々による開催が多くなると思います。12月2日(土)には、今回の講師をつとめた望月佐多央氏による「基礎セミナー」が開催されます。中部地方の方は是非ご検討ください。

柴原洋氏(元ソフトバンクホークス)と・・・

2017-10-05
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 スポーツ学部1年生の授業、『職業とコミュニケーション』で、元ソフトバンクホークスの柴原洋氏を招きプロ選手としての経験や心構えなどをお聞きしました。壇上で柴原選手に私がインタビューをする対談形式で進めました。

 柴原氏は北九州高校から本学野球部を経て1996年のドラフトでダイエーホークスへ入団。高校時代は「4番・エース」として活躍されたが、本学に進学と同時に野手転向。福岡6大学で首位打者を4回、本塁打王を3回、打点王を4回、MVPを2回、ベストナイン6回を獲得しています。リーグ戦通算成績は85試合出場、330打数137安打。打率.415、21本塁打、96打点。「福六のイチロー」と称されました。

 ホークスに入団後は15年間主力選手として活躍、ベストナイン2回(外野手部門:1998年、2000年)、ゴールデングラブ賞3回(外野手部門:2000年、2001年、2003年)、月間MVP1回(野手部門:2008年3・4月)をそれぞれ獲得されています。

 大学とプロの違いなどのお話も興味をひかれたが、小学校4年生で野球を始めたときからプロ選手として活躍することを目標としてきた・・と語っておられました。夢ではなく目標。その目標を細分化して期限を決めて達成してきたそうです。そして、その目標を常に書いて見えるところの貼っていたそうです。

 以前、陸上の為末選手の講演を聞いたときにも同様のことを話していました。為末選手は「メンタルセット」という言葉を使っていました。

 今日のお話を聞くと、素質も大切であるが、いかに目標を持ち持続するかということが道を開く最大のポイントであると思えてきます。在学生の多くが柴原氏の話に聞き入っていました。

 柴原氏の益々のご活躍を祈念いたします。

ありがとうボルト

2017-08-14
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 数々の伝説を築いていたボルト選手が、世界陸上ロンドン大会を最後に引退した。

 彼が持っている100メートルの世界記録9秒58が破られるときは来るのだろうか。不可能なようにも思える。

 さて、カラダと左右に関して取り上げるときに、私が題材とするのがボルトの走りである。彼が北京オリンピックで圧倒的強さで100メートルで金メダルを獲得したとき、これまでの陸上競技の理論からはかけ離れたフォームが話題となった。

 肩を大きくゆする独特なフォーム。そして何より左右差が大きいこと。上の画像は6年前(ロンドンオリンピック2012直前)の数値である。左右の歩幅が20センチ違う。右足(右から左)の歩幅は2m59㎝、左足(左から右)は2m79㎝、実に20㎝の違いがある。一般的な選手は5㎝以内に収まることが多い。

 この数値から「左の蹴りが強い・・」と説明されることが多いのだが、見方を変えると「右から左への重心移動が早い・・」ともいえる。右から左への重心移動が早いことは、最高のパフォーマンスを発揮するための一つの条件である。

 この顕著な左右差は、ボルト選手が克服してきた脊椎側弯症が一因であると考えられるが、そうだとすれば、その身体的ハンディは、不断のトレーニングによって世界で最も速く走るための身体的特性へと変容したことになる。

 そして、側弯の方向が逆であれば、世界記録は生まれていなかったかもしれない。まさに、神が伝説のランナーとなるために与えた試練、いや贈り物だったといえる。

 彼の雄姿ををみることができなくなるのは残念だが、感謝の言葉で引退を祝福したい。

「ありがとうボルト」

他分野に学ぶ

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 8月5日(土)、特別セミナー「〜カラダの左右特性を知ろう〜」を開催しました。以前からご要望の多かった、左右に関して「左荷重の剣道」の指導で得た知見も交えて座学と実技を行いました。参加者は剣道関係の方々、トレーナー、治療関係、医療関係の方々・・・。

 セミナーなどを開催して様々な情報をいただくと、他分野や他競技に学ぶことが大切だと痛感することが多々あります。今回の特別セミナーでも、医療関係者の方から興味深いメールをいただきました。

 それは半身に麻痺がある方の歩行に関してです。

「右片麻痺(右側半身麻痺)より左片麻痺の方が、歩行能力の再獲得は難しく時間を要する」「それは左足が支持脚で、右足は利き足(浮かせて使う足)の場合が多いから」

ということが言われているらしいのです。さらに、

「左麻痺の場合は右脳機能障害(空間認知の障害)も発生しやすく、加えてプッシャー症候群を発生する場合がある」

ということも左麻痺が歩行獲得に時間を要することの理由の一つとされているらしいのです。プッシャー症候群とは「損傷を受けていない非麻痺側の上下肢で自分の身体を麻痺側に押していく現象」とされています

 セミナーでは、左右のわずかな差で動作が大きく異なることを実感していただいたのですが、「健常の状態での左右の違いの大きさに驚き、左麻痺の不器用さを改めて理解しました。」とのご感想を述べられていいます。

 このように他分野の方々の情報をお聞きすることで、お互いに理解が進むと改めて感じました。

 上のスライドはセミナーで使用したスライドの一枚です。店舗の商品配置やランニング、また、テーマパークでのアトラクションの位置など、左右特性を用いている分野は多いのです。

 しかし、それぞれの分野で常識となっていることも他分野では全く知られていなことも多いようです。

 「カラダの左右特性」だけではなく、あらゆる事象について他分野の方々との交流が理解を深める一助となると思われます。

なみあし無限
驚異のスポーツ上達法

「剣道なみあし流」